ゲラチーの気まぐれ雑記

日々自分が思っていたことや考えたことを記録する日記

御湖鶴がチャンピオン・サケに選出

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           (プレスリリース引用)


当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。

 

今回は御湖鶴がチャンピオン・サケを受賞したことにちなみ、

日本酒の話を色々書いてみました。

 

 山恵錦がゴールドメダル

 

世界で最も大きな影響力を持つ品評会

IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2021のSAKE部門で、

長野県オリジナル酒米(山恵錦・さんけいにしき)で醸造した日本酒が、

ゴールドメダルを受賞しました。

 

純米吟醸酒部門

「御湖鶴(みこつる) 純米吟醸 山恵錦」(諏訪御湖鶴酒造場)

下諏訪町」(最高賞「チャンピオン・サケ」に選出)

 

酒米「山恵錦(やまけいにしき)」は、

農業試験場で2003年から13年の歳月をかけて育成され、

信州の山々からの恵みをイメージして公募により、名付けられました。

 

醸造に適した心白(米の中心の白濁部分)の発生率が高く

加工もしやすい、高品質な酒米です。

 

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インターナショナル・ワイン・チャレンジとは?

 

毎年ロンドンで開催される世界的規模のワインコンテストです。

 

SAKW部門では、「純米酒」「純米吟醸酒」「吟醸酒」等の

9のカテゴリーごとに、「ゴールドメダル」「シルバーメダル」

「ブロンズメダル」「大会推奨種」で評価されます。

 

ゴールドメダルを獲得した中から一つの銘柄に、

「トロフィー」の名誉が与えられ、さらにその中の一つに

SAKE部門の最高賞「チャンピオン・サケ」の称号が授与されます。

 

2021年の日本酒部門は、1499銘柄の出品がありました。

                 (長野県庁ホームページ引用)

 

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   御湖鶴とは?

 

盤栄ホールディングス株式会社(所在地:福島県いわき市)は、

子会社である盤栄運送が運営する日本酒ブランド

「御湖鶴(みこつる)純米吟醸 山恵錦」が、

2021年の世界大規模ワイン品評会のSAKE部門において、

優秀賞である「純米吟醸トロフィー」に選ばれました。

 

御湖鶴を製造する諏訪湖御湖鶴酒造場は、

下諏訪で唯一の蔵元であった菱友醸造が破産したため、

この蔵元と交流があるムラコシ精工様を通じ継承の打診を

受けたことがきっかけです。

 

CO2排出業者である盤栄ホールディングスが、

クリーンエネルギーの創出となる再生エネルギー事業の他、

植物工場等の農産物製造も手掛けています。

 

酒造業である御湖鶴もあわせて支援することになり、

自然と共存する蔵元の「再生」を手掛けることになりました。

 

結果、全国で唯一、

運送会社が酒類製造業の免許を有している会社となりました。

                   (プレスリリース引用)

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  酒類製造免許について

 

酒類製造免許とは、

酒税法により定められている酒の製造ができる免許のことで、

酒造免許とも言います。

 

酒税を円滑に納付させることを目的とした制度であるが、

宗教儀式のために少量を製造する場合にも必要です。

 

ただし、神社などの濁酒などの販売を目的とせず、

伝統文化価値の大きいものなどは、構造改革特区の申請により

酒税法の適応外になることもあります。

 

酒税法第7条第2項において、種類別に1年あたりの

最低製造見込み数量(法定製造数量)が定められています。

 

免許取得後1年間に製造しようとする見込み数量がこれに達しない場合は、

免許を受けられない、または、実際の製造数量がこれを3年間下回ると、

免許取り消しとなります。       (ウイキペディア引用)

 

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      免許の種類

 

免許は種類別、品目別になっています。

 

免許を受けた品目と異なる酒類を製造しようとする時は、

改めてその品目の免許を受ける必要があります。

 

例えば、ウイスキーの免許でブランデーを造ることはできません。

 

酒造メーカーや大学などで研究のために製造する際に設定された

試験酒類製造免許があり、法廷製造数量の制約を受けませんが、

販売はできず有効期間や種類に制約があります。

 

 酒類製造免許の取得について

 

清酒酒類酒造免許を新たに取得できるのは、既存の清酒製造者が、

企業合理化を図るために新たに製造場を設置して

清酒を製造する場合等に限られており、新規参入は制限されています。

 

新規参入には、休廃業した酒造会社を回収し、

酒蔵の免許を移転する方法が使われます。

 

2021年には海外への輸出を後押しするため、

輸出用清酒製造免許が設定されました。

 

第1号は福島県のねっかに交付されました。 (ウイキペディア引用)

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 酒類免許の新規発行が行われていない理由

 

日本酒に限らず、アルコールが1%以上含まれる飲料を作る

ためには製造免許が必要になります。

 

免許の審査を行う税務署長が「免許を与えないことができる」

要件が定められています。

 

定めれている内容は「需要調整要件」と呼ばれています。

 

条文上は日本酒に限らず全ての酒類に適用されるものですが、

現状では日本酒と焼酎、みりんについては需要均等のために

新規の製造免許発行が原則、行われていません。

 

こうした需要調整が必要になる背景を、

過去に実際に行われてきた調整の歴史からみると、

以下の2点が考えられます。

 

1、酒税が国税収入において重要な地位を占めることから、

  過当競争により酒税の確保が困難になることを防ぐため

 

2、特に清酒が主食である米を原料とすることから、食料保全のため

 

1974年以降は生産数量の規制という形での需要調整は行われていませんが、

日本酒消費量が減る中、供給過多を防ぎ既存の酒蔵を保護するために

新規の製造免許発行が原則として行われていないのです。 (SAKEStreet引用)

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     委託醸造

 

日本酒製造への参入方法として、まず考えられるのが「委託醸造」です。

 

これは、清酒製造免許を持っている酒蔵に、

自社専用の日本酒を醸造してもらうもので、

OEMと言い換えると分かりやすいかも知れません。

 

株式会社RiceWineが2019年にリリースした

Hinemos(神奈川県の井上酒造株式会社にて製造)などがこの方法で

自社ブランドの日本酒をリリースしています。

 

製造を行う既存酒蔵との調整は必要になりますが、

設備投資や自社での製造免許の取得は必要ないため

現段階では最も実現難易度が低い参入方法であると考えられます。

 

一方で、使用原料や製造方法、製造量等は委託先企業の

設備の制約をある程度受けるというデメリットが考えられます。

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      企業買収

 

次に考えられるのが企業買収です。

清酒製造免許を持つ酒蔵を買収することです。

 

2017年に北海道上川町で日本酒の製造を開始した上川大雪酒造株式会社は、

2016年に三重県の休眠酒造会社であった「株式会社ナカムラ」を

塚原敏夫さんらが買収し、異なる国税局管轄を跨ぐ、

異例ともいえる移転を行ったうえで移転先での製造許可を得ました。

 

また2018年には当時24歳だった加藤仙一さんが、

新潟県佐渡市天領盃酒造株式会社を買収し、蔵元になりました。

 

買収後には新ブランド「雅楽代(うたしろ)」もリリースし、

人気を得ています。

 

既存の酒蔵を買収する方法では、委託醸造は実現できません。

 

自社設備での充な醸造が可能である反面、

買収資金や買収後の設備資金が必要になることに加え、

買収対象となる酒蔵のデューデリジェンス

買収手続きに専門知識と時間と労力を要することがデメリットになります。        

                     (SAKEStreet引用)

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 輸出用清酒製造免許が2021年4月スタート

 

海外での日本酒人気が高まる中、令和2年度税制改正により

「輸出用清酒製造免許制度」が新設され、

令和3年4月1日から同免許の申請がスタートしました。

 

日本酒を製造するには国が発行する清酒製造免許が必要になりますが、

日本酒の消費が減少する中、供給過多を防ぎ既存の酒蔵を保護する観点から、

現在、新規の製造免許発行は原則として行われておらず

新規参入を阻んできました。

 

その一方で、海外における日本食ブーム等を背景に

日本酒の輸出量は増加傾向にあり、この10年で倍増しました。

 

こうした中、既存の国内酒造への影響を最小限に抑えつつ

日本酒のブランド向上を図る策として、

輸出に向けに限り免許の新規発行を許可することになりました。

 

免許の申請受付スタートに国税庁では、

「輸出用製造免許の取得をご検討の方へ」

とするリーフレットを作成し、同制度の概要のほか、

 

1、特定輸出国をターゲットにした高付加価値の清酒

  少量から製造できる製造場を新たに設置すること

 

2、清酒製造に関心がある方が新たに輸出用の清酒製造事業に参入すること

 

3、どぶろくの製造者が設備投資を抑え、輸出用の清酒を製造すること

 

4、海外で清酒を製造し販売していた方が、

 清酒の本場である日本で製造・輸出することで、

 品質の向上やブランド化による販売化による販路拡大を図ること

 

5、委託醸造により製造した清酒を輸出していた方が

  自社製品の輸出に切り替えること

 

などを免許取得によりできることを紹介しています。 (TabisLand引用)

 

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    最後に

 

御湖鶴のゴールドメダル素晴らしいですね。

 

菱友醸造が破産したため、蔵元と交流があったムラコシ精工を通じて、

継承を打診を受けてもらい今回の偉業を達成されています。

 

記事の中でも書いていますが、酒類製造免許の清酒は新規発行は

原則行われていないため今回のように、

破産や休業の蔵元の免許を買収するやり方しかないと思います。

 

免許が手に入らないために、

海外で起業した方の話を聞いたことがあります。

 

やはり、苦労するのは原料の米と水です。

海外では思うようなお米が手に入りにくいです。

 

それと海外の水は硬水が主で、

日本の軟水のようにうまくいかないようです。

 

日本でよく聞く酒米は、山田錦でしょうか?

今回の山恵錦の育成には、

長野県の試験場が13年もの月日をかけています。

 

その努力には、頭が下がります。

御湖鶴を作るにあたり、日本酒は杜氏の腕次第で、

その時の酒の善し悪しが決まると言うことでは無く、

いつも同じクオリティの味を作りたいと言われていました。

 

なので、造り方を見直し、

機械化出来るところは機械化してと言われていましたが、

そうしていたら実際は、更に工程が増えてしまったとのことでした。

 

そういう考え方やこだわりもあって出来たお酒なんだと、

インタビューを聞いていて関心いたしました。

 

日本人のものづくりに対する、真摯な想いを強く感じました。

次回はお盆前後の販売のようですが、当分は手に入らないと思います。笑

 

今年の4月1日から輸出用に限り、

清酒製造免許が取得できるようで良かったと思います。

 

日本での清酒造りを諦めて海外で起業した方々にも、

日本で清酒を作って欲しいです。

 

やはり、原料のお米と水は日本のものが一番ではないでしょうか?

 

近年、日本酒は世界的に人気があります。

 

和食が世界遺産に選ばれたこともあり、

中国や香港での日本酒人気は根強いものがあります。

 

輸出用の日本酒造り、頑張って欲しいですね。

 

御湖鶴・・・いつ頃になったら飲めるのでしょうね?

是非、飲んでみたいです!笑

 

貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。

 

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