ゲラチーの気まぐれ雑記

日々自分が思っていたことや考えたことを記録する日記

アニマルウェルフェアについてⅡ養豚

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 当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。

アニマルウェルフェアの2回目は養豚についてです。

 

吉川隆盛元農林水産大臣が、大手鶏卵会社の元代表から、

500万円を受け取った収贈罪の裁判が始まり、

背景には日本のアニマルウェルフェアが世界水準に追いついておらず、

策定中の採卵鶏に関する国際基準案を業界として

阻止する意図があったことが明らかになっています。

 

アニマルウェルフェアとは、動物福祉とも言われ、

家畜の動物としての幸せや人道的な扱いを実現するための

飼育の仕方をを意味しています。

 

詳しい定義は前回の記事に書いていますので、

参考にして頂けたらと思います。

 

 

gerati.hatenablog.com

  

前回の鶏の記事では、書いていて残酷で認めたくない現状もありました。

鶏の記事では、知らない現状ばかりでした。

 

養豚の現状も鶏と同じように知らないことばかりでした。

 

ある意味、何も知らないで以前のように食していた方が

幸せだったと思います。

 

しばらくは、豚肉は食べられなくなりそうです。

 

前回書いた、平飼いの卵、

いつも行っているスーパーでは1種類しかなくて、

行った日はありませんでした。

 

他のスーパーも探してみます。

思ったより少ないことに驚いています。

 

直接買いに行ける距離に、平飼いの農場があるので、

時間がある時に買いに行こうかとも思っています。

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     養豚の現状

 

2013年1月より、EUではアニマルウェルフェア規制強化により、

養豚農場において妊娠母豚をストールで飼育することが禁止されました。

 

これにより、EU内では豚肉が不足し、

価格は高騰するとの懸念も見られました。

 

このため、EUの主要産出国であるデンマーク

オランダの2か国の規制強化後の状況について、現地調査が行われました。

 

調査では、この規制強化を原因とした大きな混乱は確認されませんでした。

 

ただし、規制の中心となった繁殖母豚については、

EU全体で飼育頭数の減少傾向にあり、

将来的な豚肉生産は減少が見込まれています。

 

個々の経営面では、

飼料穀物価格の高騰による収益性の悪化などが課題になっており、

今後の状況次第では、EUの豚肉生産に変化をもたらす可能性があります。

                      (月報畜産の情報引用)

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豚は本来、穴掘りや泥浴びをし、

広大な面積を群れで移動しながら生活する動物です。

 

しかし、日本では多くの場合、

床がコンクリートや金網のスペースで区切られた豚舎で育てられます。

 

豚は本来、自然界なら、

分娩前には枝や草を使って精巧な巣を作ります。

 

ほとんどの経営体が、母豚へワラを与えていないことが分かりました。

 

ワラはエンリッチメント(より良い環境)にもなりますし、

母豚の巣作りの欲求を満たすことにも繋がります。

 

分娩ストールに閉じ込められ自由を奪われていても、

その巣作りの本能は失われません。

 

彼女たちは分娩前に非常に活動的になり、

巣作りやルーティング(鼻で地面を掘る行動)のような巣作り動作に

何時間も費やします。

 

ワラがあることで、母豚は巣作りの欲求を満たすことができるし、

分娩が促進されるという報告もあります。  (HOPEforANIMALS引用)

  

AWで話題になると名前があがるのが、「妊娠ストール」です。

 

母豚が気づかずに子豚を踏み殺してしまうことを回避するためにも

導入されている器具ですが、方向転換ができないその飼育状態を

問題視する声もあります。       (KOKOCARA引用)

 

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         (ウイキペディア引用) 

           妊娠ストールとは?

 

妊娠ストールとは、子取り用の母豚を妊娠期間中(約114日間)に

単頭飼育する個別の檻のことです。

 

糞尿を処理しやすいよう排泄を定位置でさせます。

 

スぺース削減という理由から個々の飼育スペースは、

母豚のサイズと同程度(幅60cm、奥行き180cmほど)で

回転ができないようになっています。

 

頭部に餌桶(あるいは自動給餌機)と飲水設備され、

尻部の床はすのこ状になっており、

糞尿が下に落ちる仕組みになっています。

 

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        (ウイキペディア引用)

母豚は分娩が近づくと分娩ストールに移動させられ、

子豚が誕生すると次の種付けが行われて、

再び妊娠ストールに戻されます。

 

妊娠ストールの使用が広がったのは、豚の屋内飼育が行われるようになり、

自動給餌機が設置されるようになった1980年代のようです。

 

妊娠ストール飼育の母豚には、

さまざまな健康問題が見られることが知られています。

 

心臓血管の健康状態の悪さや骨密度の問題、筋肉の低下などの

健康状態の悪さは、すべて運動不足の欠如に起因しています。

 

2018年時点で、

日本の養豚業において一般的に使用されている試用率は、91,6%です。

 

2018年時点で法的な規制はありません。  (ウイキペディア引用)

 

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       子豚の現状

日本では母豚と子豚は離乳するまで「分娩ストール」で飼育されます。

 

分娩ストールは狭いスペースしか与えておらず、

母豚は妊娠ストールと同様、方向転換すらできません。

 

子豚にとってもワラ1本もない無味無乾燥な環境で、

豚の強い探索本能を満たせるものは、何もありません。

 

歯の切断

歯の切断は、産まれたばかりの子豚(生後1週間)の犬歯4本、

第三切歯4本の合計8本の歯を、ニッパーで切るという方法で行われます。

 

基本的に麻酔は行われません。(91%の農家が麻酔なし)

この行為が、歯に痛みや重症を引き起こすことは、

科学的に明らかになっています。

 

切断された92%で神経感染症が起こっています。

年齢を問わず動物たちは痛みを感じることができます。

 

切断する理由は、子豚が母豚の乳首や他の豚の尻尾や耳を傷つけることを

防ぐためとされています。

 

しかし、子豚がそれらをする理由は、

かみつてしまうような悪環境で飼育されているからです。

                 (HOPEforANIMALS引用)

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  養豚の方法バイオベット

 

     バイオベットとは?

 

豚の糞から生産される完熟推肥を敷料に使った床のことです。

 

バイオベットは自然生態系のバイオリアクターを応用した

家畜糞尿処理システムのことです。

 

バイオベットで飼育するメリットは、

1、 完熟推肥を使った床の上で飼育することにより、排出される糞尿を

   浄化されるため、糞尿処理の手間を省くことができる

 

2、1の浄化作用により排出される匂いが低減される

 

3、豚舎内で飼育するより豚にかかるストレスを軽減する

 

仕切りのない豚舎で飼うことで、

放牧に近い飼育方法(準放牧)を模索しています。

 

また、床材の原料である小坂グリーンセンターで製造している

BM完熟推肥を豚がついばむことで、町内細菌が増加、

腸内吸収が良くなることで健康に育っています。

              (十和田湖高原ポーク引用)

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秋田県で養豚を営むポークランドグループは、

AWに取り組んでいる産地です。

 

生協パルシステムなどを中心に年間約15万頭を出荷する一大産地です。

 

ポークランドグループでは、2004年から

 

その最大の特徴は、農場内の一部で行っている屋内の放牧です。

 

日の光が入る豚舎には、もみ殻や木質チップなどを発酵させた

「バイオベッド」という独自の床材が敷き詰められ、

豚は走ったり、穴を掘ったりして育ちます。

 

海外の取り組みも積極的に参照にしながら、試行錯誤を経て、

現在の形にたどり着いたそうです。

 

寒い時や暑い時で休む場所を変えたり、トイレの区分けをしたり、

縄張りも意識もあるそうです。

 

そういった豚本来の行動が見られるのは、

育てる側にとっても面白いと言われています。

 

動物の幸せを追求するアニマルウェルフェアが、

同時に生産者の幸福と尊厳にもっと繋がっていることは、

重要な視点です。            (KOKOCARA引用)

 

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     最後に

 

豚が自然界では、

広大な土地を群れで移動しながら生活する動物だとは、

知りませんでした。

 

イノシシは、穴を掘りますが豚も同じなんですね。

 

また、出産前には枝や草で巣を作ることも知りませんでした。

 

子供の頃、豚を飼っている農家の方に、

豚は綺麗好きだと聞いたことがあります。

 

綺麗好きの豚をそうでないようにしていたのは、

人間なのかも知れません。

 

『女性は子供を生む機械』発言をされた大臣がおられましたが、

「妊娠ストール」は、まさに豚を子ども産む機械扱いしており、

生きた動物とは思えない扱いです。

 

家畜であっても動物らしく生きたい本能はあるはずです。

 

その本脳に従った環境で生活させてあげたいと思いますが、

そうなると多少豚肉の値段が高くなるということもあり得ます。

 

家畜が穀物を餌にしていることは、

将来の食料不足や地球温暖化とも関わっています。

 

家畜の数を減らすことで、

より良い環境を与えることができるのではないか?

と思ったりします。

  

安価な豚肉を食べられていた背景は、

豚に様々な苦痛をさせていたのかと思うと、胸が痛いです。

 

豚肉を食べてもいいの?とさえ思ってしまいました。

 

豚にも産まれてきたからには、

少しでも幸せな時間を過ごして欲しいと思います。

 

それには、豚肉を食べる頻度を減らす必要があると思っています。

 

次回は牛について書きたいと思っています。

 

貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。

 

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