ゲラチーの気まぐれ雑記

日々自分が思っていたことや考えたことを記録する日記

インドの婚活アプリとカースト制度について


当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。

 

長らく夏のような日が続きましたが、

今年は、秋を通り越していきなり冬になってしまった

感じがします。

 

今回は、インドの人たちの

婚活や恋愛事情について書いてみました。

 

中国を抜いて世界の人口1位になったインドですが、

私はインドのことはあまりよく知りません。

 

インドは少子高齢化社会の日本と違って、

国民の平均年齢が28歳前後と若い国なのです。

 

そんなインドではどんな婚活や恋愛をしているのか?

気になっていました。

 

以前ニュースでインドでは、

婚活アプリが流行っているというのを見ました。

 

時代とともに

インドの婚活や恋活も変わりつつあるようです。

 

変わりつつ理由の一つにマッチングアプリでの

相手探しがあるのです。

 

日本でも婚活アプリで知り合って結婚する

ということは一般化し始めていると感じています。

 

今回は、

1 インドの婚活・恋活事情

2 ダウリーとサティー

2 インドの婚活アプリ

3 結婚とカースト制度

について書きました。

 

今回の記事はかなりの長文になっていますので、

興味のある部分を読んで頂けると幸いです。

 

             (インド門)

 インドの婚活・恋活事情

 

ヒンドゥー教の結婚は、一般的には

結婚のための社会制度として説明されています。

 

ヒンドゥー教徒は結婚を社会契約の一種ではなく、

秘跡であると考えています。

 

これは、ヒンドゥー教徒が全ての男性と女性は親となり、

ヴェーダの規定に従って一緒にダルマ(正義)を実践するために

創造されたと信じているためといわれています。

 

ヒンドゥー教では、人生の4つの目標は、

正義(ダルマ)、富(アルタ)、快楽(カーマ)、解放(モクシャ)

であると考えられています。

 

これらの目標を達成するためには

結婚が必要であると考えられています。

 

結婚の3つの目標には、夫婦がダルマを成就すること、

子孫を残すこと(プラジャ)、喜びを経験すること(ラティ)

が含まれます。

 

バラモン教では、

男性は女性と結婚して子孫を残した後にのみ

「完成」したと言われます。

        (Academlc Accelerator引用)

 

インドでは結婚適齢期のお婿さん探しの場合は、

教育と所得レベル、お嫁さん探しの場合は

家柄や美貌だけでなく、肌や髪の色、目の色まで

気する傾向があると言われています。

 

そして未だに結婚相手を選ぶのに

カースト制度の制約を受けています。

         

 ンドではお見合い結婚が主流

 

インドでは恋愛結婚は現代でもまだ珍しく、

お見合い結婚が主流です。

 

日本と違い、一般的に婚活と恋活は

全く別物として捉えられています。

 

2018年の16万世帯以上を対象とした調査では、

既婚者のインド人の93%がお見合い結婚であり

恋愛結婚をしたと回答した人はわずか3%でした。

 

インドでは親が自分の子供にふさわしい相手を見つけるために、

結婚相談所、婚活Webサイト、新聞のお見合い相手募集広告、

親族の伝手や所属コミュニティ・カースト内のサービスを

利用して婚活するのが一般的です。

 

インドでは自由恋愛による結婚は長らく禁忌とされ、

良家の子女にに限らず、今でも親が見つけてきた相手と

見合い結婚するのが普通のようです。

 

昔は世話好きの親類縁者や友人・知人のつてを頼りに

八方当たって結婚適齢期の男女を探し出し、

お見合い結婚に至るというのが一般的だったようです。

 

しかし、インドでも核家族化が進むにつれ、

徐々に新聞・雑誌が仲人役を務めるようになりましたが、

その後ネットの「お見合いサイト」が

爆発的に普及しました。

 

そして最近ニュースで見ましたが、

インドでは婚活アプリが流行ってきたようです。

        

インドで遠距離恋愛が続く理由

 

インドに留学していた女性の話は興味深ったです。

 

21歳の同じ学年で、既に結婚している子がいたり、

卒業後すぐに結婚式の予定がある子などもいたそうです。

 

同じ年代の女の子たちは恋人がいる子が多く、

相手は同級生や年上の知り合いなどです。

 

しかし驚くことにほとんどの子が遠距離恋愛で、

2年~7年続いているとか・・・

 

進学で故郷にいる彼氏と離れ離れになったり、

彼氏が他の州に進学したりしたことが理由のようです。

 

インドは広いので1年に一度や二度しか会えないようですが、

関係は続くようです。

 

会えない時間も愛を育めるって素敵ですね。

      

親に決められたお見合い結婚で

         幸せになれる?

 

留学生の彼女いわく、21歳の同学年の同じ年の女の子が

すでに結婚していたり、卒業すると

すぐに結婚の予定がある子がいたりしたようです。

 

そういう子たちは、

大体親に決められた相手とお見合い結婚です。

 

特にイスラム教徒の女の子は

親が早く結婚させたがる傾向にあり、

相手の顔も知らないまま結婚ということも

多いそうです。

 

昔の日本にも

そういう時代があったと聞いたことがあります。

 

ヒンドゥー教の知り合いの子は、

まず両親が二人を合わせ、

二人がよければ交際して結婚するようですが、

途中で断ることもできるそうです。

 

お見合い結婚させられるのが嫌で

恋人と駆け落ちなんてニュースも

よく耳にしたそうです。

            (PIITs引用)

    

            (クトゥブ・ミナール)

  ダウリーとサティー

     ダウリーとは?

 

ダウリーとはヒンドゥー教徒の婚姻において、

女性側から男性側に贈与される持参金のことで、

結婚する際、花嫁は多くの金銭や家財道具・宝石を

花婿側に献上する制度のことです。

 

この制度は1961年に法律により禁じられており、

最高5年の懲役が科せられます。

 

ダウリーは禁止されてからも、

女性が暴力を受ける事件は後を絶たず、

80年代の法改正ではダウリーをめぐって

結婚7年目までに女性が死亡した場合、

男性側の刑事責任を問うことが可能になりました。

 

有罪になった男性は禁固7年から終身刑

言い渡されます。

 

政府の統計によると、2020年には

ダウリーをめぐって7000人近い死者が

報告されています。

 

しかし、英紙「ガーディアン」は、

持参金なしで娘が結婚できるかどうかを心配する両親も多く、

家長的文化に深く根付いているこの制度を

なくすのは容易なことではないと分析しています。

 

法律上は禁じられていますが、

慣習として広く受け継がれてきました。

 

ダウリーは花嫁の財産となる場合もありますが、

婚家への贈与として扱われることが多く、

婚姻の条件にもなっています。

 

ダウリーの習慣は主に上位カーストの間でみられましたが、

近年、下カーストの間にも広がりつつあります。

 

花嫁側に大きな経済的な負担を強いるうえ、

持参財をめぐる争いから婚家で

花嫁が虐待されることもあるようです。

 

ダウリーが原因で花嫁の虐待や自殺、

殺人事件も相次いでいます。

 

最悪期の2011年には、

年間8618人の女性が犠牲になっと言われています。

      

   サティーとは?

ティーは本来は「貞淑な女」を意味しました。

 

ヒンドゥー社会にみられる風習で、夫が死んだ時、

妻はそれに従って死ぬことが美徳とされ、

人々に送られて生きたまま焼かれたようです。

 

寡婦ヒンドゥー教では不浄な存在のみなされ、

社会から忌避されました。

 

このような寡婦の悲惨な生活と女性の地位低下から、

寡婦の理想として殉死を求める社会状況が生まれ、

これが習慣化しました。

 

これを見たイギリス人が

インドの野蛮な風習「サティー」と紹介したため、

寡婦殉死を意味することとなったのです。

 

インド社会での民衆生活に

深く根を下ろしていたヒンドゥー教では、

女性の人格は基本的には認めておらず、

結婚しても夫に従属し、離婚は認められず、

その死後の再婚も認められなかったのです。

 

このサティーの習慣は

イギリスの植民地支配でこの風習を批判する者も現れ、

ようやく1829年に禁止令が出されました。

 

今日でもまれに行われることがあり、

焚死した寡婦は女神として祭られることが多い。

     (百科事典マイペディア・世界史の窓引用)

 

              (アグラ城)

    インドの婚活アプリ

インドでは結婚前の自由恋愛は難しく、

結婚の約8割がお見合い結婚でした。

 

伝統的な身分制度である

カーストを重視する習慣は残っており、

同じカーストに属する相手と結婚を親から求められ、

それに従うケースも少なくありません。

 

インドでは一般的に婚活と恋活は

全く別物として捉えられているようです。

 

そんなインドで最近人気を集めているのが

オンラインマッチングサービスで登録者数は世界第2位で

全世界の23%、を占めているという調査もあります。

 

2020年の調査では、

ミレニアム世代のインド人の62%の人が

お見合い結婚より恋愛結婚を好み、

その数はZ世代では69%にまで上昇しています。

 

これは結婚や恋愛に対して

コンサバティブと評価されてきた

インド社会でも大きな変化と言えそうです。

 

市場には婚活アプリとデート専門アプリに

大きく二つに分かれています。

 

世界の国々と同じようにインドでも

マッチングアプリのセグメントは

目的別に分かれ、担当直入にいうと、

・出会いを求めるため

・真剣な交際・結婚まで結びつける

の二つに分かれます。

 

出会いを求めるマッチングアプリとして、

「tinder」が2016年にTVCMを打ち出しましたが、

インドでは「結婚前の男女交際」は

最大のタブーであるため、

目に見える成長まで3~4年ほどかかっています。

                (Statusbrew引用)

     

それでも恋活・出会い系サービス市場は、

急速な変化を遂げており、

婚活市場よりも規模が大きいと推測されています。

 

性別や宗教を超えた関係が

社会的に認められていないインドで

結婚を目的としない若者たちも、

スマートフォンの普及により、

マッチングアプリを利用して

交際相手を探すようになっています。

 

インドでよく使われているマッチングアプリは、

国際的に大手のアプリも使われていますが、

インド発のアプリも続々と登場しています。

            (Global Jappan引用)

 

  結婚とカースト制度

 

カーストという言葉は、インドの言葉ではなく、

ポルトガル語のcasta(血統の意味)からきています。

 

ポルトガル人が16世紀にインドに来るようになってから、

インドの身分社会=ヴァルナ制を

そのように名付けたことから始まります。

 

カースト身分制度は、

前1000年ごろ鉄器文明段階に入ったアーリア人

先住民を征服する過程で肌の色が異なった被征服民を

差別することから始まったものと考えられています。

 

宗教的には、アーリア人の宗教

(バラモン教から後にヒンドゥー教に発展する)

の世界観と深く結びついています。

       

    カースト制度とは

 

カースト制度とはインド社会に固有な身分制度をいい、

生まれを意味する「ヴァルナ」と

職業を意味する「ジャーティ」からなります。

 

インドに来たポルトガル人が、

その制度をポルトガル語で身分を意味する

カースト」と呼んだため、

カーストという呼称が一般化しました。

 

実態はバラモン教と結びついた強固な観念であり、

現在は憲法で否定されていますが

その影響は残っています。

 

人間はヴァルナという4つの基本の種性に分けられる

とされていて4つの基本ヴァルナとは

バラモンバラモン教の司祭階級。

      宗教的な支配者階級。

 

クシャトリヤ:武士または貴族とされる。

        政治的、軍事的支配階級。

 

・農耕牧畜、手工業に当たる生産者、庶民階級。

以上3カーストが上位カースト

 

シュードラ:本来は隷属民とされた被支配者階級。

       下位カースト

 

この4ヴァルナは、前1500年頃に始まる

アーリア人がインドに移住する過程で、

征服民が上位の3ヴァルナを構成し、

先住民のドラヴィダ人

下ヴァルナとなったことから始まりました。

 

長い過程を経て、

10~12世紀ごろに世襲の職業集団である

ジャーティにわかれ、人々はそのいずれかに属し、

通婚の禁止などの他、生活の細部にわたって

規制が加えられていました

 

カーストはあくまで「身分」であり、

経済的・政治的階層関係と重なっていないことも多い。

 

経済的には貧しいバラモンや豊かなシュードラ

存在します。

     

    ジャーティ

厳密にカーストにあたるものは、

職業的世襲制度としての「ジャーティ」です。

 

インドの言葉ではジャーティは

「生まれ」「家柄」の意味と言われています。

 

インドでもジャーティをカースト

あるいはカースト集団等と言うようになっています。

 

カースト集団はほぼ同一の職種にある人々が、

同じカーストのみの通婚によって維持されました。

 

カースト間の通婚は違法とされました。

 

ただ、男性が上位で女性が下位のカーストである場合は

認められましたがその逆は認められませんでした。

 

また職業においても世襲が原則でしたが、

その仕事の口は限界があるので、

特例として下位のカーストの仕事をすることは

許されました。    (世界の窓引用)

   

   ジャーティの数

 

ジャーティはインド社会において、

現在でも内婚集団として機能しており、

その範囲内における浄性を共有し、

水のやり取りや共食、婚姻を共有する集団でもあります。

 

現在でも大多数のヒンドゥーは、

自分がいずれひとつのジャーティに

帰属しているとの意識をもっています。

 

ジャーティの区分は特定の伝統的な職業や

内婚集団によってなされる場合が多く、

その数はインド全体で2.000とも3.000とも

いわれています。  (ウイキペディア引用)

 

     

 

     最後に

ヒンドゥー教では、

目標を達成するためには結婚が必要と考えられ、

子孫を残すことも目標の一つとされています。

 

インドはヒンドゥー教徒が多いのですが、

女性はシュードラ(最下層のジャーティ、隷民)

と同じとされていました。

 

そのため女性に対する差別的な規定があります。

 

カースト制度は法律で禁止されても今なお、

人々の生活の中に根深く残っていて、

婚活アプリで相手を探す際も、

同じ身分の人との結婚が望まれています。

 

そして、ダウリーという持参金も法律で禁止されても、

未だに習慣として残っています。

 

もちろん、インドの男性が皆、

男尊女卑の考えが強い方々だとは思っていませんが、

レイプ事件が多いことからも

そういう男性が多いのかもと思ってしまいます。

 

インドの国民の皆様には申し訳ないのですが、

記事を書いていて、

インドに生まれなくて良かったと

思ってしまいました。

    

日本にも結納という儀式があり、

相手に結納金というお金を渡しますが、

ダウリーほど高額ではありませんし、

結納では結納返しとして相手方にお返しをするので

ダウリーとは異なりますね。

 

宗教色が薄い日本では、

結婚はどんなふうに捉えられているのでしょうか?

 

内閣府の「男女共同参画白書例話4年版」によると

共働き世帯は2001年から2021年までで

1.5倍も増加しており、

夫婦のいる世帯全体の7割にまで達しています。

 

共働きの場合、家事や育児の分担は

男性にも担ってほしいところですが、

女性のほうが負担が大きい話も聞いたりします。

 

日本はインドほど男尊女卑は酷くはありませんが、

色々な面で男女平等には程遠い気がしています。

 

女性も精神的にも経済的にも自立できてこそ、

始めて男女平等という同じ土俵に立てるのではないかと

思っています。

 

貴重なお時間を使って頂き、

ありがとうございました。

 

ちまたではクリスマスソングが流れる季節になりました。

よかったら「メリクリ」・・・聴いてみて下さい。

 

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