ゲラチーの気まぐれ雑記

日々自分が思っていたことや考えたことを記録する日記

イチゴのはなし

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当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。

 

以前ミツバチの記事を3記事書きましたが、

その時は、イチゴのことを書こうと思っていたのに、

ついついミツバチのことを書き過ぎました。笑

 

今日はその時書こうと思っていたイチゴのことを書きます。

 

 世界一イチゴが好きな日本人

 

イチゴは世界各国で食べられていますが、

生食での消費は日本が世界一だと言われています。

 

品種も300種と大変多く、

世界全体の品種の半分以上が日本のものだという説もあります。

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    イチゴ栽培の歴史

 

イチゴの歴史は古く、ヨーロッパでは石器時代の遺跡から

イチゴを食べていた痕跡が見つかりました。

 

ローマ帝国の時代には栽培が始まっていたとされています。

 

現在世界中で食べられているイチゴの先祖は、

18世紀のオランダで、北米産のバージニアイチゴと

米原産のチリイチゴを交配してつくられたものです。

 

このイチゴは江戸時代末期の1830年代に日本へ伝えられましたが、

本格的な栽培が始まったのは明治に入ってからで、

農学者の福羽逸人が国産イチゴ「福羽」を誕生させました。

 

以降、日本のイチゴ生産は順調に拡大し、第二次世界大戦を経て、

ハウス栽培や促進栽培が進んで、収穫量も増大しました。

              (JETRO 日本貿易振興機構 ジェトロ)

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     イチゴ戦争

 

各県ともブランドイチゴの開発には力を入れていますが、

中でも並々ならぬ力を入れているのが、

「とちおとめ」を開発した栃木県と

人気品種「あまおう」を擁する福岡県です。

 

両者の実力を比べてみると

栃木県は1968年に全国1位のイチゴ収穫量となって以来、

その座を守り続けています。

 

2018年の収穫量は、2万4900トンと圧倒的な首位でした。

 

一方福岡は、2018年の収穫量は、1万6300トンで2位でした。

 

あまおうで輸出にも力を入れており、香港、台湾、

シンガポールなどに輸出先を広げています。

 

この2県で先にブランドの開発に取り組んだのは福岡県で、

1983年に香りが豊かという特徴をもった「とよのか」を開発しました。

 

これに続くように、栃木は2年後に「女峰」を売り出します。

 

女峰は、それまでイチゴの販売が年明け以降だった集荷時期を

クリスマス前にできる強みがありました。

 

女峰は12月からイチゴを店頭に並ぶ光景を作り出した、

画期的な品種だったのです。

 

さらに栃木はそこから10年後、1996年に満を持して「とちおとめ」 を

導入します。

 

通常、都道府県は開発した品種を品種登録の有効期限である

25年間 (2005年以降) 、自都道府県のみで栽培できます。

 

しかし、女峰もとちおとめもすぐに他県で栽培できるようにしたことが

奏功し、日本一の生産量を誇る品種になったのです。

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栃木県がブランド品種として売り出した「スカイベリー」 が

市場に出たのは2013年でした。

 

スカイベリーはとちおとめの倍近くあり、酸味が少なく

濃厚な味を持っています。

 

逆円錐形の美しい形をしているので、贈答用にふさわしい品種です。

 

病気になりにくい特徴を持っているので生産者には取り組みやすく、

栃木県内の生産面積にの1割を占めるようになってきました。

 

現在主流になっているイチゴのトレンドを作ったのは、

2002年に福岡が開発した「あまおう」です。

 

とちおとめの色づきやすかったことから、

とよのかの色が薄くなりがちな点が、目立つようになったため

開発したのが「あまおう」です。

 

あまおうは色づきがよく光沢もよいため、

着色のための作業が軽減されました。

 

導入された後、栽培面積は急激に広がり、

4年後には福岡県のイチゴ栽培の98%を、占めるまでになりました。

 

しかし、福岡県のブランドイチゴは、

今もあまおう以外に、目立ったものはありません。

 

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   栃木県のいちご研究所

 

一方栃木県は定番の「とちおとめ」のほか、「スカイベリー」。

 

2010年ころから夏秋出荷で洋菓子店やホテルなど業務用に出荷する

「なつおとめ」、2019年から出回る白い「ミルキーベリー」など、

特徴のある品種を次々に出しています。

 

そんな栃木県には、イチゴを開発する全国唯一県の専門研究機関

栃木県農業試験場「いちご研究所」があります。

 

設立は2008年10月。

農業試験場の栃木分場としてイチゴと麦を研究していましたが、

麦が本場に移動することで、イチゴに特化しました。

 

栃木県はイチゴ栽培に適した条件が整っています。

 

栃木県の水田の土壌は、肥料の持ちも保水力も高く、

また、冬場の日照量が多く、鬼怒川などの清流や地下水の豊富な土地柄で、

消費地の首都圏が近い。

 

そして、栃木県の生産者は勤勉で技術力が高く、

地域のまとまりも強いのです。    (東洋経済ONLINE引用)

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   イチゴは果物ではない

 

イチゴはバラ科オランダ属の多年草で、世界各地の温帯を中心に

分布しています。

 

私たちが食べる赤い実の部分は、植物学上は「果実」ではなく、

花托(かたく)と呼ばれる花の土台部分が発達したものです。

 

表面で種のように見える粒が、瘦果(そうか)と呼ばれる果実の一種です。

 

一般的に「果物」として扱われているイチゴですが、

日本の分類上は 野菜となります。

 

狭義の果物が樹木になるものをしめすため、

イチゴはスイカやメロンと同様に、

果物的野菜として定義されています。

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  豊富なバリエーション

 

日本のイチゴは、世界に類を見ないほど

バリエーションが豊富です。

 

農林水産省に登録されているイチゴの品種は294種 2018年現在

で、そのうち登録維持されているのは161種です。

 

各生産地で品種改良が重ねられ、

イチゴは10年から20年単位で世代交代が進んでいます。

 

新しい品種は日本国内の競争を勝ち抜くため、

促成栽培に適していたり、大粒に実ったり、

甘味が強かったりするなどの特徴を持っています。

 

その一方で、1年を通して開花する四季成りのイチゴなど、

個性的なイチゴも次々と誕生しています。

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   イチゴの品種と生産地

 

1位栃木県  とちおとめ とちひめ

2位福岡県  あまおう 

3位熊本県  ゆうべに ひのしずく

4位静岡県  紅ほっぺ きらぴ香

5位長崎県  ゆめのか

6位愛知県  あきひめ

7位茨城県  とちおとめ

8位佐賀県  いちごさん

9位千葉県  とちおとめ

10位宮城県  もういっこ

11位群馬県  やよいひめ

12位埼玉県  とちおとめ

13位香川県  さぬきひめ

14位宮崎県  さがほのか

15位愛媛県  べにほっぺ

 

 味や大きさが特徴的なイチゴ

 

     スカイベリー

艶のある綺麗な円錐形

 主な産地 栃木県 特徴 

     2014年に登録された新品種で、名前は公募で決定しました。

     円錐形でサイズが大きい。

     明るく鮮やかな色で光沢がある。

     酸味が低く、甘さが際立っている。   

     ジュシーで上質な味わい。 

 

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       (写真提供栃木県 農林水産省ホームページ引用)

 

     天使の実

大玉の白イチゴ

主な産地 佐賀県 特徴  

     2014年に登録された新品種です。

     唐津市のみで生産されている白いイチゴで、

     一粒の重さが平均60グラムと超大玉です。

     味は、ほんのり甘く酸味は低い。

 

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      (写真提供唐津市  農林水産省ホームページ引用)

 

     真紅の美鈴

光沢あり濃い紅色

主な産地 千葉県 特徴

     2015年に登録された新品種です。

     千葉県大網白里市が発祥。

     黒く見えるほど濃い紅色で、果肉の中まで赤い。

     糖度が高く酸味は低く、濃厚でクセになる美味しさです。

 

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      (写真提供大網白里  農林水産省ホームページ引用)

 

     よつぼし

新しい種子繁殖型品種

主な産地 三重県 香川県 千葉県

     2017年に登録された新品種です。

     他のイチゴのように親株から古苗を分けるのではなく、

     種から育てるのが特徴。

     省力的な栽培ができ病害虫のリスクも少ない。

     外見は紅色で形も良く、糖度が高い。濃厚な味。

 

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     (写真提供三重県農業研究所 農林水産省ホームページ引用)

 

      美人姫

特大で糖度も高い

主な産地 岐阜県 特徴

     岐阜県羽島市の奥田農園代表、

     奥田美貴夫氏が生み出した高級イチゴです。

     一粒100グラムを超えることもある超大玉で、

     光沢のある色艶が特徴。

               果汁たっぷりで甘味も香りも良い。

 

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      (写真提供羽島市  農林水産省ホームページ引用)

 

  世界で評価を高める日本のイチゴ

 

新種の開発や栽培などの技術において、

日本のイチゴは世界トップレベルにあり、

生で食べるために品質管理も、厳しく行われています。

 

その中で生産されたイチゴは、糖度、大きさ、

ジューシーさなどにおいて、主要輸出先の香港や台湾でも

高い評価を得ています。

 

柔らかい食感が日本イチゴの美味しさの要素の一つですが、

同時にデリケートで傷みやすく、海外などへ輸出上での課題でした。

 

そのため、クッション性の高い放送容器を使用したり、

果物の呼吸を抑えるCAコンテナや

高圧方式のコンテナを使用するなど、

鮮度の保持を輸送する取り組みが始まっています。

 

財務省 貿易統計 によると、イチゴの輸出額は

2015年に8億4893万円、2016年に11臆4859万円、2017年に

17臆9853万円と急激に伸びています。

 

日本産イチゴの人気が高まりつつあることを示しています。

              (JETRO 日本貿易振興機構 ジェトロ引用)

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          最後に

 

農林水産省は農林水産物の輸出に力を入れています。

 

中でも日本の果物のりんご、ぶどう、イチゴはアジア圏で人気があり

力を入れています。

 

しかし、イチゴがメロンやスイカと同様に果物では無く、

野菜という位置づけなのは、知りませんでした。

 

果物の定義は、樹になる実のようです。

 

以前記事で書きましたが、ハウス栽培のイチゴにとって

受粉をしてくれるミツバチがいないことには、

実をつけることはできません。

 

最近は、ミツバチに変わってヒロズキンバエというハエを

受粉に使うところも出てきました。

 

実はハエはイチゴやマンゴーなどの高級食材の担当なんですよ。笑

 

食いしん坊のゲラチーにとって、食べ物の記事は楽しく、

ついつあれもこれも書き過ぎ、文字数が多くなってしまいました。

 

貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。

 

 

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