ゲラチーの気まぐれ雑記

日々自分が思っていたことや考えたことを記録する日記

ソーラーシェアリングについて

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当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。

 

農業にも深い関心を持っているゲラチーです。

今日は、「ソーラーシェアリング」についてです。

 

農業は年々衰退していますが、その原因としては、

農業従事者の高齢化、後継者不足、鳥獣被害などがあります。

 

その結果として農地の耕作放棄に繋がっています。

 

「ソーラーシェアリング」がこれらの農業の解決策になれば

良いなと思っています。

 

 

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   ソーラーシェアリングとは?

 

ソーラーシェアリングは、2013年3月に農林水産省から設置が認められ、

ここ数年で急速に導入が進んでいます。

 

農林水産省は、これまで農地のへの太陽光発電設備等の設備は、

支柱の基礎部分が農地転用にあたるとして、認めてきませんでした。

 

しかし、農地における農業の適切な継続を前提に、

これを「一時転用」として認めることとし、その指針をとりまとめ、

「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての

農業転用許可制度上の取り扱いについて」を公表しました。

 

これによりソーラーシェアリングを行うことが可能となりました。

 

ソーラーシェアリングとは、

農地の上に2メートル以上の支柱を立てて、

農業と太陽光発電を同時に行う仕組みのことです

 

農業と発電事業を同時に行うことを言います。

農林水産省では、この発電設備を「営農型発電設備」と呼んでいます。

 

太陽光パネルを一定の間隔をあけて設置することで、

作物に必要な日射を確保し、営農への影響を極力小さくしながら、

一つの土地で農業と発電事業を両立することができます。

 

農地を守りながら農業収入を得ることに加え、

発電した電気も電気会社に売ることで売電収入を得る、

新しい農業の形、それがソーラーシェアリングです。

 

2018年5月に農林水産省は、

ソーラーシェアリングの運営にかかわる規制を、一部暖和しました。

 

ある一定の条件を満たせば、

ソーラーシェアリング事業の更新を3年から10年に延長することができ、

よりソーラーシェアリングに取り組みやすくなりました。

 

また、環境省基本計画にもソーラーシェアリングの推進が明記され、

国単位で機運が高まっています。

         (環境ビジネスオンライン引用 SmARTBLUE引用)

 

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   ソーラーシェアリング協会とは

 

ソーラーシェアリングの考案者は、

CHO研究所所長の長島彬氏と言われています。

 

長島氏は、強すぎる太陽光は植物に有効に働かず、

光合成は増加しないという「光飽和点」の存在に着目し、

農地の上に支柱を立てて組んだ架台に、

間隔をあけて太陽光パネルを設置し、

農作物と電力の両方を得るソーラーシェアリングの技術を開発しました。

 

2003年に特許を出願し、2005年にこの特許技術を誰でも使えるように

公開されています。

 

農林水産省による指針の公表を受け、長島氏を顧問に迎えて、

一般社団法人ソーラーシェアリング協会(千葉県千葉市)が

設置されています。

 

同協会では、正しいソーラーシェアリングの普及を促進することで、

農業再生・地域活性化を目指しており、

売店や技術指導を実施しています。 (環境ビジネスオンライン引用)

 

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  ソーラーシェアリングのメリットデメリット

 

         メリット

 

1、農業との二重収益構造 

  農業収入は、天候に左右されやすく不安定です。

 

  一方、太陽光発電は日光さえ当たっていれば常に発電でき、

  確実に売電収入が得られます。

 

  新たに土地を取得する必要がなく、

  プラスアルファの収入を見込むことができます。

 

2、土地の固定資産税が高くならない

  農地に野立ての太陽光発電設備を設置する時には

 「農地転用」で地目を「農地」から「宅地」に

  変更しなければなりません。

 

  宅地は農地よりも固定資産税が高く、

  太陽光発電設備は住宅ではないため、税金の軽減措置もありません。

 

  その点、ソーラーシェアリングでは農業を行いながら発電を行うため、

  一時転用を行いますが地目は農地のままなので、

  固定資産税は抑えられます。

 

3、適度な日影が生まれる

  支柱でソーラーパネルを設置するので、必然的に日影が発生します。

 

  適度な日影が生まれることにより、

  夏の暑い日でも直射日光にさらされ続けることがなく、

  農作業の効率アップが期待できます。

 

4、育てられる作物の種類は少なくない

  ソーラーシェアリングで育てられる作物に規定はなく、

  バリエーション豊かに作物を育てられます。

        

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       デメリット

1、一時転用のリスク

   ソーラーシェアリングを行うためには、

   農地の一時転用許可が必要です。

 

   2020年現在、以下の条件を満たす場合は10年に1回申請を行います。

 

2、太陽光発電設備の長期運用について綿密な計画が必要

  太陽光発電の固定価格買取期間は20年です。

 

  太陽光発電設備は、寿命が長いので、通常の野立て発電所であれば、

  買い取り期間終了後に中古に出すことも可能です。

 

  しかしながら、ソーラーシェアリングでは農地があるので、

  中古として売り出すのは難しく、20年間も農業と太陽光発電

  並行して運営できるのかといった、長期的な計画が必要になります。

 

3、金融機関の融資が下りにくい

  一時転用のリスク、長期運用の計画が必要といったデメリットから、

  金融機関はソーラーシェアリングは長期的に安定して収入を得るには

  リスクが高いと考えます。

 

  また、架台を高くする必要があるため設備費も通常より高く、

  初期費用の回収に時間がかかることも、

  融資が下りにくい原因のひとつです。

 

  ソーラーシェアリングでは、

  農業の生産量がしっかりと確保できているなど、

  収入基盤が農業で確立されていることが重要なのです。

                      (Earthcom引用) 

 

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  太陽光発電の売電価格について

 

太陽光発電の売電単価は年々下がっています。

 

なぜ下がっているのかと言うと、

売電単価は太陽光発電の設置金額の目安に算出されていきます。

 

太陽光発電の設置金額は、普及が進むにつれて、

各社の競争によって年々安くなっていきます。

 

そして、その金額に合わせるように売電単価も設定されています。

 

売電単価は、経済産業省内にある「固定価格等算定委員会」という部署が、

様々な状況を鑑みて委員長案として算出し、経済産業省で決定されます。

 

FIT制度(固定価格買取制度)が始まる2009年以前は、

太陽光発電の余剰電力は24円という単価での買取でしたが、

2009年のFIT制度開始で48円の買取に一気に値上げされ、

太陽光発電の普及が本格的に始まりました。

 

FIT制度は10年で終了し、2019年に買い取り価格を24円に戻す前提で

制度がスタートしています。

 

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   2021年(令和3年)の売電価格

 

住宅用:19円  産業用11~12円

 

10キロWh未満   19円/kwh (税込み)

10~50kWh未満   12円/kwh  (税抜き)

50~250kw未満    11円/kwh (税抜き)

 

 2022年度(令和4年度)の売電単価

 

10kwh未満            17円/kwh(税込み)

10~50kwh未満    11円/kwh円(税抜き)

50~250未満        10円/kwh(税抜き)

 

2020年度から、10kWh以上の産業太陽光の場合、

FIT制度における売電単価の式実が変わりました。

 

これまでは10kWh以上の「全量買い取り」が適用されている

案件に関しては、発電した電気のすべてを売電できました。

 

しかし、2020年度以降の設備認定案件に関しては、設備容量が10kWh

以上の7~20kWh未満の場合「余剰買い取り」が適応されます。

 

太陽光発電で発電した電力を「自家用消費として30%を充当」

することが条件となり、余剰発電分を電力会社に売電します。

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       電力の自由化

 

2016年に電力自由化が始まり、

新規産入した電力会社(新電力・地域の電力会社)もあるため、

大手電力会社だけではなく、どの電力会社と売電契約するかは

自由に選択することができます。

 

     太陽光発電の飽和状態

 

太陽光発電の売電単価は下がり続けていますが、

今後も売電単価は下がり続ける可能性はあります。

 

すでに飽和状態になっている地域もあり、

特に顕著な地域は、九州地方と言われています。

 

それでも、電力会社からの買電量を減らしたり、

太陽光発電の設置で「再エネ賦課金の値上げ」を減らせたり、

蓄電池を設置することで相乗効果を生み出したり、

災害や停電対策として有効な手段だったりします。  (エコ発引用)

 

gerati.hatenablog.com

  

       最後に

 

ソーラーシェアリングの動画にでてきた、アクアポニックスについて

以前書いた記事があります。

読んでもらえたら、嬉しいです。

 

アクアポニックスで太陽光発電をするソーラーシェリングは、

将来性がある農業のやり方で良いと思います。

 

農業は、台風や洪水などの天候に左右されます。

 

副収入として、太陽光発電の売電収入があれば、

収入が安定します。

 

売電価格が下がり続けている説明も取り上げましたが、

それでもソーラーシェアリングは、

新しい農業の形として期待がもてると思います。

 

農業が若者たちにとって、夢のある職業になることで、

日本の食料の自給率も少しは上がるような気がします。

 

ソーラーシェアリングにすることは、難しい点もありますが、

新しい農業の形として期待しています。

 

貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。

 

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