ゲラチーの気まぐれ雑記

日々自分が思っていたことや考えたことを記録する日記

ホタテの貝殻でチョークの製造

f:id:gerati:20211212115606j:plain


当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。

 

今回はチョークの話です。

そして、そのチョークを作っている方々のことを記事にしました。

1,日本理化学工業株式会社とは?

2,障害者雇用促進法について

3,大山会長の話

について書きました。

 

 

youtu.be

 

 日本理化学工業株式会社とは?

 

この会社は、カンブリア宮殿などでも紹介されたりしていて、

割と知名度の高い企業だと思います。

 

障害者雇用でも名を知られた企業でもあり、

ゲラチーも以前から知っていました。

 

日本理化学工業株式会社は、1937年創立の会社でチョークをはじめとする

文房具・事務用遺品の製造販売を行う企業です。

 

日本理化学工業のチョークの全国シェアは7割を占め、

海外にも輸出しています。

 

北海道美唄市の事業所では、

ホタテの貝殻を原料にしたチョークを作っています。

 

このチョークが愛されている理由は、書き味は滑らかで、

字のかすれもなくて、発色がとても良いと評判です。

 

また、子供たちには、色を重ねると色々な色になって楽しいと好評です。

小麦粉より細かい5ミクロン(1000分の5ミリ)で、とてもミクロ。

 

ホタテは北海道を代表する海の幸ですが、

一方で毎年およそ20万トン近くの貝殻が捨てられています。

 

その貝殻を独自の技術で砕いて練り上げることで、書き味が良く、

環境にも優しいチョークを作っています。

     f:id:gerati:20211212142132j:plain

    農林水産大臣賞を受賞

 

北海道では、年間約40万トンのホタテの貝殻が漁獲され、

年間約20万トンの貝殻が水産廃棄物として排出されています。

 

ホタテの貝殻は従来、土壌改良等に利用されていましたが、

新たな用途開発が期待されていました。

 

日本理化学工業は共同でホタテ貝殻の主成分である

炭酸カルシウムを利用した製品として、

微粉末を配合したチョークを開発しました。

 

ホタテ貝殻の微粉末はチョーク原料に適した性質をもっており、

従来のチョークに比べて、

1,発色性が良く、白い鮮明な文字が書ける

2,書き味がソフトで滑らかに書け、折れにくい

3,粉の飛散が少ない

などの特徴があります。

 

石灰石の採掘削減への寄与や子供たちの環境教育教材として

活用できる効果もあります。

 

同製品の普及により、グリーン購入法の特性調達品目に

「チョーク(再生材料10重量%以上使用)」が設定されるなど、

業界に対する波及効果も認められています。

 

日本理化学工業は価格を維持しつつ、

ホタテ貝殻の利用を高める研究も行っています。

          (日本理化学工業株式会社ホームページ引用)

 

        f:id:gerati:20211212111504j:plain

  障害者雇用促進法について

 

障害者促進法は、雇用に取り組む意義と企業が守るべき義務が

定められています。

 

障害者の職業の安定を図ることを目的とする法律です。

 

障害のある方に対し、職業生活における自立を実現するための

職業リハビリテーション推進について、

また、事業主が障害者を雇用する義務をはじめ、

差別の禁止や合理的配慮の提供義務等を定めています。

 

この法律の背景には、全ての国民が障害の有無に関わらず、

個人として尊重されること、全ての国民が障害に分け隔てられることなく、

相互に人格と個性を尊重し合いながら共存しようとという

ノーマライゼーションの理念があります。

 

ノーマライゼーションとは、

福祉用語の1つであり、障害者や高齢者などが他の人と平等に生きるために、

社会基盤や福祉などを整備していく考え方を指します。

 

そして、職業生活においても、

障害者は経済活動を構成する労働者の一員として、

本人の意思と能力を発揮して働くことができる機会を目的としています。

 

障害者雇用促進法の条文では、障害者を

「身体障害や知的障碍者発達障害を含む精神障害、その他の心身機能により、

長期にわたり職業生活に相当の障害を受ける者、

あるいは職業生活を営むのが著しく困難な者」と定めています。

 

このうち、「障害者雇用率(法廷雇用率)」の算定対象となるのは、

身体障害者、知的障碍者、精神、発達障害者となります。

 

つまり、障害者手帳を所持していない障害者は対象外となります。

 

一方で、障害者手帳がある方だけを対象に雇用促進するのではなく、

手帳を持たず、様々な困りごとを抱えた個人や企業を支える仕組み、

そして、その延長に誰しもが働きやすい職場づくりが

ノーマライゼーションの観点からは、求められています。

                (PERSOL チャレンジラボ引用)

      f:id:gerati:20211212114418j:plain

  大山会長のお話

日本理化学工業では、昭和35年(1960年)から

知的障碍者の方々を雇用されています。

 

きっかけは、その当時の会社の近くにあった

青鳥(せいちょう)養護学校の先生から、

卒業する生徒の就職を頼まれたからです。

 

当時専務だった大山泰弘会長は、お断りになりましたが、

その後も二度、三度とお願いに来られました。

 

三度目の際先生が、『専務さん、どこへ行っても断られました』

『もう就職は諦めました。最後のお願いです』

『職場体験でよいので、働かせてくれませんか』

 

『でないと、彼らは卒業後、親元を離れ、福祉施設にはいることになります』

『働くことを知らずに一生を終えていきます。一生のうち一度でいいから』

『働くことを経験させてやりたいのです』

 

『一生に一度、そこまで言われては・・・』

大山会長は、2人の生徒を2週間、職場体験で預かりました。

 

最終日、従業員のお一人が専務の大山会長のところへ来て、

『専務さん、

2人共お昼休み休憩のベルがなっても、私たちが止めるまで働いてくれます』

『15歳で親元を離れて福祉施設に入るのはかわいそうです』

 

『2人だけなら来年、採用してあげてくれませんか?私たちが面倒みますから』

と言うのです。

 

それがきっかけで、雇用が始まりました。

その後も『昨年就職した子が、仕事に慣れて違う仕事をしているので』

『空いたポジションに1人採用できますよね?』

 

なんて言われて、毎年採用することになったのです。

言ってみれば、その熱心な先生のお陰で、

今の会社があると言えるかもしれません。

 

昭和48年には、当時の労働省の本書から直接、電話を来て、

生涯者雇用の助成制度を作ったので、モデルケースとしてぜひ、

手を挙げてほしいと頼まれました。

昭和50年に心身障害者多数雇用モデル工場の第1号を川崎市に開設しました。

      f:id:gerati:20211212111516j:plain

     大山会長の言葉

 

人は幸せを求めて生きていると言われています。

そして、究極の幸せはこの4つだそうです。

 

1,人に愛されること

2,人から褒められること

3,人の役にたつこと

4,人に必要とされること

 

大山康弘会長は、平成31年(2019年)2月にご逝去されました。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

            (長久手市市長吉田一平氏記事引用)

     f:id:gerati:20211212115617j:plain

    最後に

昔、教員に肺の病気が多いのは、チョークが原因だと言われていました。

 

それは、直径が2ミリ以下の粉塵を吸い込むと肺胞まで届くので、

塵肺症になり、肉芽腫などを発症するなどと

言われていたからかも知れません。

 

しかし、実際には、石炭、石綿、石の粉、アルミの粉などを

長期間吸い込めば、肺胞マクロファージが破壊する時に肺の炎症を引き起こし、

間接性肺炎になりますが、チョークではその心配はないようです。

 

つまり、炭酸カルシウムは、水に溶けるので、

人間の身体に取り込まれても、塵肺として残ることはないようです。

                          (fuigi引用)

       f:id:gerati:20211212150225j:plain

大山会長の話の中で、

最初の障害児を預けに来た青鳥養護学校の先生は、

この2人の生徒さんの性格をよく把握されていて、何事にも

真面目に一生懸命取り組む生徒さんたちだと分かっていたからこそ

何度も頼みに来られたのでしょう・・・

 

その生徒さんたちと一緒に仕事をした社員さんたちは、

2人の仕事に対するひたむきな取り組み方に、

心を動かされたのだと思いました。

 

また、その社員さんの話を聞いた大山会長は、

生徒さんを想う社員さんに心を動かされ、採用を決められています。

 

この話を読んで、いつの時代も人の気持ちを動かすのは、

人を想う心なのだと感じました。

 

障害を持って生まれたのは、本人の責任ではありません・・・

単に運が悪かっただけです。

 

今、健常な人も明日は、事故や病気で障害者になるかも知れません・・・

 

そうなっても、働きたい意欲がある人たちの求める環境があれば

生きる意欲に繋がる気がします。

 

人の生き方は、人それぞれで良いと思いますが、障害があることで

思う生き方ができないということがない世の中であって欲しいと思います。

 

貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。

 

f:id:gerati:20211212143249j:plain