ゲラチーの気まぐれ雑記

日々自分が思っていたことや考えたことを記録する日記

グリーンフレーションとは

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当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。

今回はグリーンフレーションについてです。

 

幅広い商品が値上がりするインフレの懸念が強まっています。

背景には石油や天然ガスといった資源エネルギー価格の上昇があります。

 

新型コロナウィルス禍での生産生活の制約や傷ついた経済の急回復による

需要バランスの崩れが資源高の主な要因ですが、

脱炭素化への対応がコストを押し上げるなどして価格上昇を招く

「グリーンフレーション」と呼ばれる現象の可能性もあります。

 

1,グリーンフレーションとは?

2,為替レートが決まる要素

3,日本の外為政策の問題点

4,ミセスワタナベとは?

について書きました。

今回はについて書いています。

 

  グリンーフレーションとは?

 

グリーンフレーション(Greenflation)とは、脱炭素に向けた動きを表す

「Green=グリーン」と継続的に物価が上昇する

「Inflation=インフレーション」を合わせた造語です。

 

待ったなしで突き進む脱炭素化の動きです。

 

石油や石炭、などの化石燃料への依存依存を減らすヨーロッパでは、

二酸化炭素の排出量が少ない天然ガスの価格が、

過去最高値の水準まで高騰しました。

 

各国が導入を急ぐ太陽光や風力発電は、火力発電より多くの配線が必要で、

銅やアルミなどの金属価格の高騰に拍車をかけているという指摘もあります。

 

こうした“グリーン”を目指す動きはエネルギー価格の高騰を招き、

それがインフラ懸念に繋がって欧米の金利が上昇しています。

 

対照的に、日本の金利はほとんどついていませんから、

金利の高いドルを買って円を売る動きが加速しました。

 

いわば、グリーンな動きがドミノ倒しのように波及して、

円安になっている現象がおきています。

 

もちろん、円安の要因は複合的であり、1つではありません。

 

外国為替ディーラーの間でも「グリーンフレーション」という言葉が

使われる頻度が上がっているようです。

 

それと為替ディーラーの間で注目となっているのが、

かつて「ミセスワタナベ」とも呼ばれた

日本人のFX=外国為替個人投資家の動きです。

 

最近はこうしたFXの個人投資家が800万人ぐらいいるとの推測から

八百万の神(やおよろずのかみ)」という呼び方もあるそうですが、

個人投資家はここ数年、1ドル=105円~110円程度の相場安定に

大きく貢献してきたと市場関係者は話します。

 

円安で利益が出れば、ドルを円に換える・・・円を買う行動に出るため

一定の円買いパワーになっていました。

 

しかし、今のグリーンフレーションの力に押されて、

抵抗しきれなくなり、円安方向に動いていると言えます。

 

また、ドルを買いたいのは金利の高い通貨を好む機関投資家

そして、値上がり傾向の燃料を早めに調達したい海運や航空の担当者たちだと

いう市場関係者の話です。

 

グリーンがもたらす円安は輸出企業の業績にはプラスになりますが、

エネルギーや資源価格の高騰と円安が重なれば、輸入物価の値上がりとなって

企業主収益を圧迫し、「悪い円安」になるという指摘もあります。

                     (NHK NEWS WEB引用)

 

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   為替レートが決まる要素

 

実質実効為替レートとは?

円/ドル、円/ユーロなど、

特定の2通貨間の為替レートを見ているだけでは捉えられない、

相対的な通貨の実力を測るための総合的な指標のことです。

 

名目実効為替レートと実質実効為替レートがあり、相手国・地域の貿易額で

加重平均して算出したものを名目実効為替レートといい、

名目実行為替レートから物価変動分を除いたものを

実質実効為替レートと言います。

 

各国中央銀行国際決済銀行(BIS)が公表しており、

日本では日本銀行が毎月、名目と実質の両方の実行為替レートを

公表しています。

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貿易量や物価水準などを加味した「実質実効為替ルート」で見ると、

現在の円相場は1973年の変動相場制に移行する前の水準まで

円安になっています。

 

実質実効為替レートは、2010年を100とすると現在は70程度で、

70年代と同じ水準です。

 

固定相場当時は1ドル=360円でした。

変動相場になってからはどんどん円高が進み、

実質実効レートでは95年4月の1ドル=76円75銭の時が最高値です。

 

しかし、その後は円高と円安を繰り返しながら、

実質的に円安傾向になっています。

 

変動相場制移行から50年を経て、円の実力は元に戻ってしまいました。

 

為替レートが決まる要素には、経常収支、物価上昇率、生産性、

金利などがあります。

 

日本の経常収支は黒字で、物価上昇率は低いので、

この2つは円が強い方向に動いています。

 

一方で、生産性や金利は低く、円を弱める方向に動いています。

 

ただ近年は、円高になる要素がうまく機能しなくなり、

実際のレートバランスが取れず、

円高に動かなくなっているところがポイントになっています。

 

円高に動く要素が機能しなくなったのは、国際収支の構造の変化が

大きな要因です。

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近年は、円安が続いても貿易収支が大きな黒字にならなくなってきています。

 

2013年以降大幅な円安になっても、貿易黒字はさほど増えず、

時には赤字になったりもしていします。

 

経常黒字は依然として大きいのですが、

中身は所得収支の黒字が大半になっています。

 

ただ、所得収支で稼いでも、そのお金の相当な部分は

日本国内に戻って来ていないと考えられます。

 

国内に有望な投資先がないので、

お金は外貨として海外に留まったままなのです。

 

海外で再投資されるだけなので、円買いに繋がらず円高の要素に繋がらず、

円高の要素に繋がりません。

 

これは日本企業による日本からのお金の逃避「キャピタルフライト」と

言えます。

 

キャピタルフライトとは、

資本がある国から別の国に逃避することを意味します。

 

経済的に魅力のない国に対して投資をしていた場合、

投資をしていた資金を一斉に引き上げていきます。

 

その国に進出していた外国企業なども撤退することも含まれます。

 

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    日本の外為政策の問題点

 

日本のプレイヤー(企業)はいいのに、

采配、つまり政策が機動性に欠けていました。

 

日本経済の構造は時代の構造は、時代と共に大きく変わっていったのに、

政策がうまく対応できていませんでした。

 

外為に対する政策対応は、とにかく「円高=悪」で

大量の円売り介入を繰り返していました。

 

日本経済は輸出で成長を続けていたので、

円安がプラスという意識が染みついていました。

 

しかし、通貨安政策に頼り過ぎ、製造業も含め、

日本企業が日本で将来性のあるビジネスができる環境づくりを怠ったため、

結局製造業も日本から出て行ってしまいました。

 

円安は日本経済に今でもプラスと言われていますが、

プラスの部分は日本には還元されず、

マイナスの部分が日本国内に出て来てしまっています。

 

マーケットは、実態経済を映す「鏡」でしかありません。

 

外為相場も鏡に過ぎないので、為替相場の水準が悪いのではなく、

そう動いている根本原因を考え、

その問題を解決していくことが政策の本筋です。

 

日本はそれがうまく出来なかったのではないでしょうか?

 

円安の進行は「日本はこのままではまずいですよ」と、

悲鳴を上げて教えてくれているのだと思います。

 

このままでは、いずれ家計の投資先もキャピタルフライトを始め、

深刻な日本売りとなる可能性があります。

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     円安の対応策は?

 

日本に投資が戻ってくるためには、日本企業が日本に戻り、

海外企業にも日本ビジネスをしてもらうための

税制整備・規制緩和などが必要になります。

 

そして、円安を介入で調整しようとしないことです。

あとは、雇用システムの根本的改革です。

 

政治が賃金を上げようと企業にプレッシャーをかけるのは

悪いとは言えませんが、一時的では意味がなく、

恒常的に賃金が上がっていく仕組みを作ることが必要です。

 

そうすれば、よい形で物価と賃金の上昇が続いていきます。

 

日本はエネルギーや食糧の多くを輸入に頼っています。

 

実質的な円の価値の下落が続き、

日本人の国際的な購買力が一段と低下することは、

将来の日本にとって相当に辛い結果を招くことになると思われます。

 

怖いのは、名目で円安が進んでる以上に、

一般の人には分かりにくい実質ベースでの円安が深刻なまでに

進んでいることです。      (毎日新聞 佐々木融氏記事引用)

 

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     ミセスワタナベとは?

 

ミセスワタナベ、キモノトレーダーは、

個人の小口外国為替証拠金取引(FX)投資家を意味する俗称です。

 

語源は日本人の主婦を中心とした女性やサラリーマン投資家のことで、

欧米の報道機関紙により名付けられました。

 

「ミセス」と呼ばれていますが、殆どが男性です。(2019年8割)

 

概要

2007年頃から、東京のインターバンク市場で、為替相場の方向性が

昼を挟んで午後になると、相場を反転させる大きな要因はないにもかかわらず、

反対方向(ドル買い)へ振れる現象がしばしばみられました。

 

こうした状況が頻繁に起こったため、原因を探っていくと、

主に日本の主婦やサラリーマンなどの個人のFX投資家が、

昼休みを利用して一斉に円売り・ドル買いの

注文をしていたことが判明しました。

 

つまり、日本の個人投資家為替相場を左右させるほど

大きな影響力を持つことを世界に見せつけたのです。

 

イギリスの経済紙「エコノミスト(1997年3月27日号)」は、

海外ではよく知られた日本の性「ワタナベ」をとって、

為替市場(FX市場)で大きな影響をもつ日本の個人投資家たちを

「ミセスワタナベ」と名づけました。

 

イギリスではリスクを取らない小口投資家を「アガサおばさん」と呼び、

転じて同紙は日本向けの呼称を提案しました。

 

2002年から2005年までの3年間にFX取引で約4億円の所得を申告せず、

約1億3000万円を脱税した所得税法違反容疑で、

東京世田谷の50代主婦(池辺雪子)が、2007年に起訴されて

有罪判決が言い渡される事件が報道されると、

FX取引は日本の主婦の間でより大きな注目を集め、

FX取引をやる人たちが増えていきました。

 

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     ミセスワタナベ狩り

 

その後、相場の相場の取引が薄くなり

注文でドルが下落する(円高になる)時間帯を狙い、

ストップロス(損切り)を狙う動きを

ミセスワタナベ狩りという名称まで出てきました。

 

現在では、ミセスワタナベはマーケットを動かす大きな力として

世界の市場関係者の間で広く認識され、大口のディーラーでさえ、

そのミセスワタナベの動向を侮れない存在とみています。

 

2011年3月17日に一時1ドル76円台に高騰した円高ドル安は、

投稿筋にミセスワタナベ狩りと言われています。

 

相場はミセスワタナベと逆をいき、ミセスワタナベのドル売り円買いが

逆にドル高円安を必要以上に進行させることも懸念されています。

                      (ウイキペディア引用)

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     最後に

グリーン経済への移行は数年に渡って平準化されるため、

グリーンフレーションは永続的に続くわけではありません。

 

エネルギー転換には時間がかかります。

移行を急ぐと予期せぬ副作用がでる恐れがあるようです。

 

最近の原油高は、色々な業種に悪影響を及ぼしています。

 

ガソリンや軽油の値段が上がったり、電気代の値上がり、

石油製品のコスト高など、あげたらきりがないほど、

私たちの生活は石油に依存しています。

 

死活問題として、漁業を営む方々は、

燃料の高騰で採算が取れないことも考えられます。

 

農業従事者の方々も同じで、ハウス栽培では赤字になることも考えられ、

職業として成り立たなくなります。

 

一時期、115円を超えた円も現在は113円前後になり、

OPEC原油の増産を決めるなどして、少し落ち着きが見えてきました。

 

原油だけでなく、天然ガス、石炭などの価格も上昇しており、

化石燃料の高騰は今後も続くと考えられます。

 

この冬の電力の需要も心配なところです。

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今回記事を書いていて面白いと思ったのは、

ミセスワタナベやキモノトレーダーという呼称のつけ方です。

 

イギリスの経済紙が付けましたが、「アガサおばさん」に

対してのつけ方でした。

 

海外で良く知られた姓は「ワタナベ」のようですが・・・ほんと?笑

 

そんなミセスワタナベが1ドル=105円~110円の相場安定に

大きく貢献していたとは知りませんでした。

 

以前、円相場は105円~110円くらいがちょうどいいというようなことを

聞いた覚えがあります。

 

サラリーマンの皆様は、否応なしに天引きで税金を払わされ、

自分を社畜と言いながら会社に尽くし、

そして、お昼休みにまで円相場の安定の為に、日本の国の為に

尽くしておられたのですね・・・『泣かせる話やおまへんか?』

 

日本の国を支えているのは、

サラリーマンの皆様と言っても過言ではありません!!

サラリーマンの皆様・・・本当にありがとうございます!!

 

サラリーマンの皆様に心から感謝しながら、今回はこの辺で失礼します。

 

長文の記事になってしまいました。

貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。

 

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