当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。
今日は法律の話で難しいのですが、頑張って理解したいと思って
記事にしました。
法制審議会の親子法制部会が中間試案をまとめました。
子供の父親を決める民法の規定見直しに向け、
大きな一歩になりそうです。
民法の「摘出推定」は、離婚後300日以内に生まれた子を
「前夫の子」としています。
これに例外を設け、母が出産時に再婚していれば「現夫の子」と
するというのが見直しの一つです。
300日以内の規定は、子の養育のため父を早く決める必要から
定められました。
ただ、この規定があることで、離婚した女性が
別の男性との子を産んでも、前の夫の子になるのを恐れて、
出生届けを出さないこともありました。
これが無戸籍の子供をつくる要因になっています。
無戸籍だと、就学や各種手当の受給、
銀行口座の作成などで支障をきたします。
こうした実態は、なかなか表面化せず、
2000年代にようやく社会問題化しました。
1世紀も前の明治民法の「摘出推定」を引き継いできた
矛盾の表れと言えます。
DNA鑑定が可能な現代にそぐわないのです。
見直しは歴史的な転換であり、何よりも無戸籍問題解消への道を
開くものになりそうです。
中間試案は、結婚後200日以内に生まれた子を「夫の子」子と確定し、
女性に対する100日間の再婚禁止を撤廃する。
父子関係を否定する「摘出否認」を、子やその代理母にも認めます。
いずれも、現代の家族観や男女平等、子どもの権利を尊重する
時代を踏まえた方向と言えます。
無戸籍の人に対し、住民表を発行し、
公的サービスを提供する自治体も出て来ています。
国は新型コロナ対策の一律10万円の特別低額給付金を、
無戸籍の人にも支給することを打ち出しています。
しかし、悲劇は後を絶たず、昨年9月、大阪で餓死していた女性は、
無戸籍のため、市役所に助けを求められず、
救急車も呼べなかったようです。
法務省は無戸籍の人の数を1月時点で901人としていますが、
支援団体によると、実際には1万人はいると言われています。
この中には、前夫の暴力から逃れた女性が、
居所を知られたくないため再婚せず、
出生届けを出世ない例もあります。
中間試案から抜け落ちた、事実婚の子についても
検討を加えて欲しいところです。
法制審は意見公募を経て、
最終案を答申し、来年の国会に改正案が提出される見通しです。
(京都新聞引用)
離婚後300日問題
これに関する戸籍上の扱いのため、離婚届後300日以内に生まれた子は
遺伝的関係とは関係なく前夫の子と推定(摘出推定)されます。
また、推定されて前夫の子になることを避けるために、
戸籍上の手続きがなされず、無戸籍の子供が生じることを言います。
(ウィキペディア引用)
無戸籍の原因と背景
早産の場合
無戸籍者が生まれてしまう一番多い原因は、離婚した後に、
新たなパートナーとの間に子どもができた場合のようです。
例としては、現在の夫の子供を妊娠して、
その子どもが早産で300日以内に生まれた場合などがあります。
この場合現在は、離婚後の妊娠については、
医師による妊娠時期の証明があれば、前夫の子ではないとして
出生届けが出せるという特例(法務省民事局長通達)が
認められるようになりました。
平成19年5月法務局民事局は、「懐胎時期に関する証明書」が
添付された出生届出に関して、
「当該証明書の記載から、推定される懐胎の時期の最も早い日が
婚姻の解消又は取り消しの日より後である場合に限り、
婚姻の解消又は取り消し後に懐胎したと認められ、
民法772条の推定が及ばないものとして、母の摘出でない子
または後婚の夫を父とする摘出子出生届が可能」としました。
(幻冬舎GOLDONLINE引用)
妻の不倫の結果
離婚前に夫以外の人の子を妊娠したという場合もありますが、
単純に「不倫」とは言い切れないケースもあります。
夫のDVで家を出て、長く離れていても
離婚できない状況にあった場合や、離婚を決めて届けを夫に出して
別れたはずなのに、離婚届けが出されていなかった場合など、
すでに結婚が破綻し、民法上でも「不貞」とは判断されないケースも
多いようです。
それ以外でも、経済的、環境的状況のせいで、
親が出生届けを出せなかった場合なども、あるようです。
(東洋経済ONLINE引用)
前の夫の子どもではない証明
前の夫の子どもではないことを証明するは、
前の夫自身が摘出否認の裁判を起こすか、
母子側から父子関係の不存在確認の裁判を起こすか、または、
母子側から遺伝上の父に対して認知を求める訴えを
提起する必要があり、その最伴野確定により前夫の摘出推定を
排除することになります。
無戸籍状態の子どもの就学はどうなる?
文部科学省は、戸籍や住民台帳に記載されていない場合においても、
義務教育の年齢にあたる子ども(6歳~15歳)に関して、
居住する地域の小学校や中学校に進学させるよう
地区町村の教育委員会に指導しています。
それは戸籍の有無にかかわらず、
学齢児童生徒の就学の機会を確保することは、憲法の定める
教育を受ける権利を保障する観点から、極めて重要であるからです。
無戸籍の学齢児童生徒に関しては、
教育委員会によって戸籍の取得(就籍)に向けた支援も行われており、
行政は横の繋がりによって、摘出の推定によって生じた
「無戸籍児童」への救済にあったています。
(幻冬舎GOLDONLINE引用)
最後に
無戸籍の子どもができるのは、母親が悪いからだと
思われた方もおられたかも知れませんが、それは違うと思います。
母親もまた、この法律に苦しめられていると思います。
自分が産んだ子どもの幸せを願わない親が、いるでしょうか?
それでも、諸事情があって自分の子どもを無戸籍にしてしまう・・・
そんな親御さんの気持ちを考えると、計り知れない苦悩が
あるのではないでしょうか。
1世紀も前の明治時代の民法を、時代にそぐわないにかかわらず
今まで使い続けててきたこと自体が問題なのです。
誰もこの法律を変えようとしなかったのは何故でしょうか?
DNA鑑定が可能な今の時代には、あっていません。
そして何より、この法律の一番の犠牲者は子どもです。
最近は無戸籍であっても、住民票が獲れるようになったり、
義務教育も受けられるようになりました。
自治体に相談すれば、医療にアクセス出来たり、
戸籍をつくことも相談にのってくれます。
それでも、無戸籍の子どもだった方々が、良い仕事につくことは
難しい状況です。
もしかしたら、結婚や子どもをつくることも、
諦めたりされている方もおられるかも知れません・・・
法務省では、出生の届出が出されておらず、
無戸籍となっている方々について、その実情に応じた案内をするため、
全国各地の法務局に相談窓口を設け、戸籍をつくって頂くための
手続き案内をするなど、様々な取り組みを行っているようです。
民法772条が今まで放置されてきた原因の一つはやはり、
女性議員が少ないことで、女性の声が届きにくいということが
あったのではないかと思っています。
女性は、少しでも多くの女性議員を増やすために、
地方でも、国会でも共感できる女性議員を
応援して欲しいと思っています。
日本人で、日本という国に生まれたのに、日本国籍がない子どもは、
他のこどもたちと、どんな違いがあるというのでしょうか?
無戸籍の子どもたちには、何の責任もありません。
こんな不平等なことが、あっていいはずがありません。
生まれた環境で子どもたちが、
差別などをされないようにと、心から願います・・・
貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。