ゲラチーの気まぐれ雑記

日々自分が思っていたことや考えたことを記録する日記

畜産の現状と今後


当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。

 

今回は、私たちの食生活と密接な関係にある畜産についてです。

 

以前、スーパーの肉売り場で、幼稚園児くらいの男の子が、

お母さんに「牛のお肉が食べたい」と、

おねだりしているのを聞きました。

 

可愛いなぁ~と思わず笑みがこぼれました。

この男の子の願い、

今後はだんだん難しくなる可能性があります。

 

それほど、輸入牛肉も国産の牛肉も、

その他の肉類も高騰し続けています。

 

日本の畜産農家は現在、危機的状況にあります。

 

1 畜産農家を苦しめる価格高騰の波

2 国の対策

3 未来の食卓を守るためには?

について書きました。

 

 

 

  畜産農家を苦しめる価格高騰の波

 

ロシアによるウクライナ侵攻などに端を発する

穀物価格の高騰の波は、

家畜の飼料(エサ)の価格上昇へと伝播し、

肉や生乳をつくる農家に押し寄せています。

 

すべてのコストが、

かつてないほど値上がりしているのです。

 

栃木県那須塩原市で豚や牛を飼育する牧場では、

豚およそ1万頭を育てており、

毎月650トンほどのエサが必要です。

 

エサは、とうもろこしや大豆油かすなどを混ぜた飼料を、

メーカーから購入しています。

 

ところが、このエサ代が

かつてないほど値上がりしているのです。

 

この1年の間でも、

1トンあたり2万円ほど飼料の価格が上昇し、

月1300万円ほどのコスト上昇になっています。

 

この牧場では、エサ代が経営コストの6割ほどを

占めているということですが、それ以外にも施設の光熱費や

豚の輸送費など、あらゆるものが値上がりしているそうです。

     

   過去最高の値上げが続く

 

なぜここまで価格が上がっているのでしょうか?

 

背景にあるのは、飼料の国内自給率の低さです。

多くを輸入に頼っている現状です。

 

家畜の肥料は、牧草などの「粗飼料」と、

とうもろこしや大豆かすなどを混ぜ合わせた「濃厚飼料」

からなります。

 

そのエサをどれくらい食べるかは、

家畜の種類などによって異なりますが、濃厚飼料は、

家畜の成長スピードに大きく関わります。

 

これらの自給率は、2020年度時点で、粗飼料が76%、

濃厚飼料は9割近くを輸入に頼っており、

国際市場に大きく左右される構造となっているのです。

 

2022年6月22日に発表した、7-9月の供給価格は、

前の期に比べて平均で1トン当たり1万400円の値上げと、

過去最高の上昇幅となっています。

 

         (NHKおうちで学ぼう!引用)

 

とうもろこしの価格

濃厚飼料に使われるとうもろこしの国際的な取引の指標となる

先物価格は、高値傾向が続いています。

 

その原因として昨年、

中国で流行したアフリカ豚熱の生産が回復したことに加え、

原油価格の高騰や新型コロナウィルスからの回復にともなう

物流の混乱で海上輸送費が上昇し、

先物価格は上昇しました。

 

そして、ロシアによるウクライナの軍事侵攻。

 

ウクライナはとうもろこしの輸出量は世界4位で、

ロシアは世界11位です。

 

軍事侵攻やロシアに対する経済制裁の影響もあり、

さらに先物価格を押し上げたのです。

 

大豆の油かすの国際市場も上昇しているほか、

足元では急激な円安が、

エサの価格上昇圧力にもなっています。

            (NHKおうちで学ぼう!引用)

 

 

     国の対策

 

      価格安定制度

 

こうした状況に国も対策に乗り出しています。

 

エサ代の高騰が続くなか、

農家の大きなよりどころになっているのが、

濃厚飼料の価格安定制度です。

 

この制度は、輸入している飼料の原料価格が、

直近1年の平均を超えた場合、

一定額を基金から補填するというものです。

 

基金には2種類あります。

1 通常補填基金

生産者と飼料メーカーがお金を出して積み立て

 

2 異常補填基金

国と飼料メーカーが積み立て

 

異常補填基金は、昨年の4-6月期に発動されて以降、

現在も続いており、まさに異常事態が

1年以上続いている状況なのです。

 

ところがこの補填基金すら、かつてない高騰によって、

将来的に枯渇しかねない状況になっています。

 

このため政府は今年4月、

物価高騰の緊急対策の一環として、

基金に435億円積み増すことなどを決めました。

 

農家からは、一安心である一方、

このところの価格高騰のスピードに

補助金が追い付いていないという声も聞かれます。

 

補填金は、直近の四半期(3か月)の

とうもろこしなど原料の平均輸入価格から、

直近1年間の原料の平均価格を差し引いた分が

交付されます。

 

 

   解決策は自給率の向上

 

濃厚飼料の原料のおよそ半分を占めるとうもろこしの輸入は、

2021年度はアメリカから70%を輸入しています。

 

これをまかなえるようになれば食料安全上、

大きな進歩ですが、とうもろこしはもともと湿気に弱く、

日本に多い湿田での栽培は難しいとされています。

 

農林水産省自給率向上のため、

とうもろこしや牧草などの生産を支援する対策を

打ち出しています。

 

しかし、アメリカなどの大規模生産によるコスト競争力には、

輸送費を入れても到底太刀打ち出来ず、

家畜のエサ向けにとうもろこしの生産を行う農家は

多くないのが現状です。

 

こうしたなか、長野県伊那市では

エサの自給自足を目指していこうと取り組んでいます。

 

伊那酪農農業組合には、

現在20戸ほどの酪農農家が加盟しています。

 

この辺は古くから酪農が盛んで、

糞尿を牧草の肥料として活用する

循環型農業が主流でした。

 

牧草については、ほぼ100%を自給で賄っており、

年に3回収穫しているとのことです。

 

とうもろこしが原料の濃厚飼料は、

全てを自給することはできていません。

 

価格が安い海外産を

定量メーカーから購入せざるを得ません。

            (NHKおうちで学ぼう!引用)

 

 

 未来の食卓を守るためには?

 

専門家は、今の価格高騰は長期化する見通しだとしています。

 

広島大学大学院長命準教授

畜産農家では

 全体のコストに占める飼料代の割合が大きいため、

 事業者によっては、長期化する価格高騰に対応できず、

 経営の体力も徐々になくなっていきます。

 

それほど今回のエサ代などの高騰は、

事態の深刻さを物語っています。

 

このことは、日本の畜産の基盤を揺るがすような

深刻な事態になりかねません。

 

こういう状況だからこそ、

自分たちの食料を自国で確保することの意味合いを、

今一度考える必要があるのではないでしょうか。」

         (NHKおうちで学ぼう!引用)

 

 

    最後に

 

今回の畜産農家のエサの高騰は、

新型コロナウィルスで経済の停滞がおこり、

ロシアのウクライナ侵攻で、食料やエネルギーが高騰する事態に

なってしまいました。

 

将来、お金を出しても色々な肉が食べられないという

最悪の事態になりかねない、

そんな想像すらしてしまう状況になっています。

 

そして、円高も今回のエサの高騰の悪化の原因の一つです。

 

日本は食料の自給率が低いのは以前から言われていますが、

畜産のエサの自給率も低いことが今回は問題になりました。

 

何でも安い国から輸入すればいいという時代は、

終わりにしなければいけません。

 

とうもろこしが湿気に弱い作物で、

日本では栽培が難しいとは知りませんでした。

 

湿気に強いとうもろこしの開発研究に、

国は投資すべきだと思います。

 

国連が7月11の世界人口デーに合わせて

「世界の人口予測2022」の報告書を公表しました。

 

報告では、2022年11月15日に

80億人に達すると予測しています。

 

世界の食料争奪戦は始まっていて、

中国の食料買占めが問題視されています。

 

日本はもっと食料のの自給率、家畜のエサの自給率

挙げるようにしてほしいと思います。

 

国が一番しなくてはいけないことは、

国民の食生活を守ることで、今の時代も、

次の世代の子どもたちのためにももっと、

自給率をあげていきたいですね。

 

そのためには、私は何をすればいいのか?

考え続けたいと思います。

 

貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。