ゲラチーの気まぐれ雑記

日々自分が思っていたことや考えたことを記録する日記

ウクライナとロシアは小麦の輸出国

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当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。

 

連日、ロシアのウクライナへの侵攻をニュースで目にしますが、

ロシアとウクライナは、小麦の輸出では

世界からは一目置かれる存在です。

 

もし、ロシアとウクライナが本格的な紛争ということになれば、

小麦などの穀物の高騰も考えられ、日本も多かれ少なかれ

影響を受けるでしょう。

 

そこで今回は、

1,ロシアとウクライナ穀物輸出の好敵手同士

2,ロシアとウクライナの輸出先

3,それぞれが抱える問題

 

について書きました。

 

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              (GLOBE+引用)

 ロシアとウクライナは輸出の好敵手同士

 

最近のニュースの一番の話題は、

やはりロシアのウクライナ侵攻です。

そんな中、

ウクライナは小麦の輸出国だということを知りました。

 

実はロシアとウクライナは、穀物輸出の好敵手好同士なんです。

 

穀物輸出国では、アメリカが頭一つ抜けていますが、

近年になってロシアとウクライナが世界の穀物市場における

プレゼンスを急激に高めています。

 

穀物生産及び輸出は、ロシアとウクライナにとって、

重要な成長産業になっています。

 

両国による供給は、世界の需要にも大きな影響を及ぼします。

 

ロシアでは、気候および収入性などの条件から、

小麦の生産と輸出が最も盛んです。

 

かつてロシアは、名物の原料であるライ麦の生産も盛んでしたが,

国際市場での需要が高いトウモロコシへのシフトがみられます。

 

一方、小麦、大麦にも増して、

トウモロコシの輸出に強みがあるのが、ウクライナです。

 

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それにウクライナは、ひまわり油の輸出国としては、

圧倒的な世界一です。

 

このように、輸出という観点では、

ロシアもウクライナも世界に冠たる穀物輸出大国です。

 

両国の穀物に共通するのは、品質が安定せず、

ゆえに輸出量ほど稼げていないという点です。

 

穀物のうち、大麦はもともと、

家畜の飼料や加工食品の原料としての用途がメインです。

 

直接食用に使われることが多いはずの小麦についても、

ロシア・ウクライナ産は、低品質ゆえに輸出先で

飼料用として使われるケースが少なくありません。

 

生産面の改善は勿論、輸送・保管の体制を整備して

品質を安定させることが求められます。

 

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 ロシアとウクライナの輸出先

 

日本は、ロシアの穀物輸出相手国としては45位、

ウクライナ穀物輸出相手国としては21位です。

 

日本が小麦を輸入している国は2019年で、アメリカ49%、

カナダ34%、オーストラリア17%となっています。

 

ロシアとウクライナ穀物を輸出している共通の国は、

アフリカ(主に北アフリカ)および中近東の輸出比率が高く、

また南アジアも重要性を帯びてきています。

 

具体的な国名で言うと、両国ともエジプトが最大の輸出国で、

トルコ、イラン、サウジアラビアバングラデシュ

イスラエルリビアなども共通の輸出先です。

 

こうした地域では、先進国ほど品質要求が厳しくなく、

割安なロシア・ウクライナ産の穀物

現地にフィットするという点があります。

 

ロシアやウクライナがこうした地域に輸出要因の一つに、

輸送しやすい点があります。

 

ロシアもウクライナ黒海に面しており、

黒海の港からボスポラス~ダークネルス海峡を通って地中海、

紅海、インド洋の沿岸諸国に運びやすく、

それゆえにアフリカ、中近東、南アジアが

主要な販路となります。

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 ロシアとウクライナの輸出先の違う点

 

ロシアはバルト3国にも一定の穀物を輸出しています。

 

2020年のコロナ禍で一時期穀物の輸出制限をした際に、

「ユーラシア経済連合(ロシアが主導する5の国の経済同盟)」の

域内は制限の対象外とする象徴的な措置をとりました。

 

それに対してウクライナは、

EU向けの輸出が柱の一つになっています。

 

2014年にウクライナEUと連合協定を締結しているのですが、

農業分野では関税障壁が残っていいますが、

ウクライナ穀物はそれを補っても余りある

低価格という武器があり、販路拡大に成功しています。

 

もう一つ輸出で顕著なのは、

アジア太平洋経済協力(APEC)市場への輸出増です。

 

これは東アジアおよび東南アジアへの輸出で、

特に中国への輸出増は目覚ましいものがあります。

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  それぞれが抱える問題

        ロシアの場合

 

ロシアは、輸出制限措置を安易に取りすぎる傾向があります。

 

歴史上何度も食料不足を経験してきたロシアは、

その恐怖感が強く、まずは国内供給を優先し、

輸出は余力に応じて行うという発想がしみついています。

 

現に、2000年以降の凶作や内外価格差の拡大で穀物供給に

不安が生じた際に、ロシア政府は穀物の輸出制限措置を

発動してきました。

 

ロシアは数次にわたって輸出関税を導入し、

2010年8月から数か月間は

穀物輸出を禁止したこともありました。

 

ここ数年は豊作が続いたため、穀物の輸出制限措置をすることは

ありませんでした。

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   ものごとはプーチン大統領次第で決まる

 

しかし、2020年の暮れになって、

プーチン大統領はミシュスチン首相を叱責しました。

 

それは、ロシア国内でパスタ・マカロニ類をはじめとする

基礎食品の価格が高騰していたからでした。

 

これを受けてロシア政府は、2021年2月15日から6月末日まで、

穀物輸出に関税を上乗せする方針を固めました。

 

プーチン政権は

輸出拡大を国家的な戦略目標の一つとして揚げており、

穀物輸出はそれを達成するための切り札のはずです。

 

この輸出関税は、目標とは矛盾します。

 

たびたびこうした輸出制限を講じていると、

「ロシアは信頼できない穀物供給国だ」という悪いイメージを

国際的に植え付けてしまいます。

 

こうした人為的な輸出制限は、最小限に抑えるべきでしょう。

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       ウクライナの場合

 

一方、ウクライナの気がかりな点は、気候面の問題です。

ウクライナは2019年までは輸出は絶好調でした。

 

しかし、2020年に凶作に見舞われ、その影響で2020/21年度の

穀物輸出は前年度比16%ほど落ち込みました。

 

背景には、2020年の夏に

ウクライナ南部を中心とした干ばつと猛暑に見舞われ、

主にとうもろこしの収穫に打撃が生じたことがありました。

 

これが2020年だけの一時的なものならよいのですが、

グローバルな気候変動によって、ウクライナの気候は

今後も厳しくなっていくという見方もあります。

 

ある専門家は、2020年の異常気象は決して偶然ではなく、

ウクライナの気候は今後10年で

150km~200km北に移動する可能性があると指摘しています。

 

世界有数の穀倉地帯であるウクライナ

異変が生じることがあれば、

その影響は一国にはとどまらないでしょう。 (GLOBE+引用)

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      最後に

 

かつて「アラブの春」が発生した際に、

ロシアで起きた干ばつによって穀物の国際価格が高騰し、

それがアラブ諸国における国民の不満増大につながって、

政変の遠因になったという言説が語られたこともありました。

 

今回のウクライナ侵攻が起きたら、

世界の有数の穀倉地帯であるウクライナに異変が生じることに

なりかねません。

 

日本の小麦は政府が買い付け、

製粉会社に売り渡す仕組みをとっています。

 

政府の売り渡し価格は4月と10月の年2回見直され、

昨年10月の改定では、

直近半年間の国際価格の上昇などを反映し、

同4月と比べ19%の引き上げとなりました。

 

これに伴い小麦粉は値上げされ、

パンや即席めんなどの加工食品の価格に波及しています。

 

6月からサッポロ一番も、10から15%値上がりしますしね。笑

 

ウクライナ情勢で既に上昇圧がかかっており、

今後の状況次第で更なる値上げもあり得ます。

 

ロシアのウクライナ侵攻は、

日本には関係ないと思われがちですが、

私たちの日常と決して無関係ではありません。

 

プーチン大統領の目的は、

ロシアの収入源である原油天然ガスの価格上昇と、

ウクライナNATOに入れないという確約だと言われています。

 

ウクライナも色々事情はあるのですが、

北欧諸国やバルト3国のように、

もっと早くNATOに加盟していればと思います。

 

貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。

 

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