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今回は、以前からニュースで気になっていたキョンについて
書きました。
1,キョンとは?
2,対策について
3、命乞いをして鳴くキョン
キョンとは
キョンは、シカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種です。
中国南東部及び台湾に自然分布しています。
学名(Muntiacus reevesi)や英名は(Reevess muntjac)は
東インド会社の茶の鑑定人で、1812年に広東を訪れ、この種の記録をした
イギリス人ジョン・リーブスにちなみます。
和名は、「羌(きょう)」を台湾語「Kiunn」によります。
2亜種が知られており、タイワンキョンとも呼ばれています。
体色は茶褐色で、覆面は黄色を帯び、四肢は黒褐色です。
眼の上から頭頂部にかけて黒い線があります。
体調は47ー70㎝、身高45ー50㎝体重は12ー17㎏ほどです。
オスのみに短い角、7~8㎝と牙があります。
目の下方に臭線の開口部があり、これがつぶった目のように見えるため、
四目鹿(ヨツメジカ)とも言います。
生態
森林や藪を好んで生息し、
群れは形成せず単独で生活していることが多い。
草食性で木の葉や果実などを食べます。
繁殖形態は胎生で1回に1匹の幼体を出産します。
妊娠期間は209~220日で、新生仔の体重は550g~650gほどです。
特定の繁殖期はなく、雌は1年を通じて繁殖します。
周年繁殖ではありますが、4月から7月にかけての出産が多いようです。
犬に似た声で鳴きます。
外来種問題
イギリスでは移入された個体が野生化しています。
日本でも伊豆大島や千葉県の房総半島(1980頃)で、
動物園などから逃げ出した個体が野生化して分布を広げています。
両地域では、
キョンによる農作物被害(イネ、トマト、カキ、ミカン、スイカ)
が発生しています。
更に庭などに侵入し、樹木や花を食べあさったりしています。
千葉県の被害と個体数
逃げ出したとされ、1980年代から房総半島で野生化した個体が
目撃されるようになりました。
2007年の調査では、3,400頭と推計され、2014年が推定個体数は47,000頭。
2019年で40000頭と推定されています。
個体数は年を追うごとに増えていき、
農業被害は年間120万円にのぼっており、ガーデニングの被害も深刻です。
伊豆大島の被害と個体数
伊豆大島では、1970年の台風被害で「都立大島公園」内にある
動物園の柵が壊れ、逃げ出した十数頭が天敵のいない島全体で
野生化したと言われています。
2010年から個体数の調査では、3,250頭と推計され、
2014年の個体数は11,000頭と推計されました。
2017年時点では、13,000頭と推定され、2018年時点では155,00頭で
ハンター駆除により5%削減しています。
大島では特産品のアシタバの被害が深刻さを増し、
2014年の被害は380万円に上がっています。
キョンの対策について
千葉県では
千葉県では2000年に
県イノシシ・キョン管理対策基本指針」をまとめ、
駆除に取り組みました。
ところがその後も個体数は増えつづけたため、
同県は2008年どにも防除計画を策定ししましたが駆除は進まず、
2012年度にも計画の練り直しを迫られました。
2014年度の推定個体数が47,000頭まで激増したため、
2015年度からは、各自治体に捕獲費の半額を上限に
補助する対策強化に乗り出しました。
2014年どの捕獲数は2,200頭にとどまっています。
2015年時点では罠を使った捕獲が中心になっています。
伊豆大島では
東京都では、2007年度から駆除を開始しました。
2010年度の個体数が約3,250頭と推計されたため、
2012年度より毎年1,000頭のペースで捕獲し、
5年をめどに根絶計画が立てられました。
2014年度まではほぼ計画どおりに駆除が進められましたが、
農作物の被害や目撃情報は増加の一途をたどりました。
そこで2014年に個体数を再調査したところ、
11,000頭と推計されました。
計算上では駆除しても毎年15%の割合で増え続けているとみられ、
従来のペースの2倍から3倍のペースで駆除しても
増加を食い止めるのがやっとということになり、
都は大幅な見直しを迫られました。
2017年時点では13,000頭と推計され、
このため5月にキョン対策を本格化させると発表しました。
チーム名を公募して「キョンとるず」と決定し、
その後はハンターによる駆除が行われ、2018年度末時点での推定生息数は、
前年同期比5%減の15,500頭で、減少に転じたと判断しています。
駆除したキョンは・・・
セーム革として
キョンのなめし革はきめが細かく、
セーム革の中でも最高級品とされています。
楽器やカメラレンズ、骨董品、刀剣などの手入れの他、
理美容用品としても使われていて、
日本でも輸入されて使用されてきました。
食肉として
肉質は柔らかく、脂肪も少ないため、福建料理(ふっけん)、
牛肉の赤身に似た味わいで、
中国や台湾では高級食材とされています。
日本でもジビエ料理人気から、
(ウイキペディア引用)
命乞いをして鳴くキョン
キョンは捕獲されて殺される時に、
赤ちゃんのような鳴き声で泣き叫ぶそうです。
日が落ちると不気味な声で『ギュウ、ギュウ・・・』と
鳴く声とは全く違う鳴き声のようです。
キョンは警戒心が強く、少しの変化も敏感に感じ取り為、
罠を仕掛けるのにも最新の注意が必要です。
腕利きのハンターでも簡単に捕獲できないようで、
猟友会でも増加を食い止めるための数すら
捕れていないようです。
そんなキョンは、捕まって殺される時に、
命乞いをして仲間に助けを求めて泣くそうです。
処分現場に立ち会う時、あまりにも泣き叫び、
命乞いをした目をするので心をやられるそうです。
その叫びは心の底をえぐることから、
キョンを捕りたくないと言うハンターも少なくないようです。
キョンは99%が殺されて捨てられています。
誰もキョンの価値を知らず、
殺されて捨てるだけを10数年繰り返してきたのです。
厄介者、気持ち悪い動物として蔑まれてきたのです。
人間のエゴに振り回されているキョン。
私たちに命と向き合う必要を訴えているのではないでしょうか?
(週刊女性石川雄輝氏記事引用)
最後に
石川さんは、キョンの狩猟体験を学校の課外授業や体験学習に
取り入れてもらいたいと言われています。
特に千葉県の子供たちに身近な生き物として
知って欲しいそうです。
キョンがこんなに増えた原因は、行川アイランドから逃げ出したり、
都立大島公園から逃げ出したりしたことが
きっかけで増えています。
逃げたことは仕方ないのですが・・・逃げたキョンを
ちゃんと捕まえなかったところに責任があると思います。
増えたキョンに罪はありません。
そりゃあ~キョンだって殺されたくなんかありませんよ。
命乞いして鳴くのは当たり前です。
だって、キョンにしたら
自分たちは悪くないのになんで殺されるんだ!
と思いますよ・・・
ただ、キョンに決まった繁殖期がないのが増えた原因の一つかも知れません。
繁殖季節のある動物を季節繁殖動物、
それがないものを周年繁殖動物と言います。
家畜の牛や豚、霊長類などが周年繁殖動物ですが、
キョンも周年繁殖動物です。
周年繁殖ではありますが、4月から7月にかけての出産が多いようです。
キョンが逃げて数を増やしすぎたことは、キョンに罪はありませんが、
これ以上数を増やすことは人間にとっては、
やはり困ったことです。
農家の方やガーデニング被害の方々の気持ちを考えると、
今後作物を育てる気持ちを失ってしまわれるかも知れません。
最初の段階で捕まえるなり、数を減らす必要がありましたが、
こうなってしまっては、後の祭りです。
牛を飼っている農家の方も牛の命を頂く以上、死んだ牛の
革や肉など余すことなく利用することが、
牛に対する愛情だと言われていました。
キョンは私たちに、命の尊さを今一度よく考えて欲しいと
きっと訴えているはずです。
貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。