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今回は前回の続きで、地熱発電についてです。
日本は環太平洋造山地帯に位置しており、地熱資源が豊富です。
活用可能な地熱資源は約2,347万kwに相当し、
これは世界第3位の資源量にあたります。
普及率の伸び悩みは地下情報の不足、
調査制度の低さといった要因もあります。
近年は、再生可能エネルギーが注目されるようになり、
今後の地熱発電の導入拡大に期待をしています。
今回は、
1,地熱発電の仕組み
2、地熱発電のメリットデメリット
3,地熱発電所ベスト10
について書きました。
地熱発電の仕組み
地熱発電に利用する高温の蒸気は、
降雨により地面に浸透した水が
地下のマグマに熱されることで発生します。
地下1,000~3,000メートル付近にに位置する、
蒸気や熱水が溜まっている場所は「地熱貯留層」と呼ばれており、
地熱発電では地熱貯留まで井戸(生産井)を掘り、
蒸気と熱水をくみ上げています。
くみ上げられた蒸気や熱水は汽水分離器により分けられ、
蒸気はタービンを回すために利用し、熱水は還元井から地中に戻されます。
タービンを回すために利用された蒸気は冷却されたのち、
蒸気の凝縮に使われる冷却水として再び活用される仕組みです。
地熱発電の方式は
・フラッシュ方式
・バイナリー方式
の二つに大別されます。
フラッシュ方式の仕組み
フラッシュ方式では、
地熱貯留層から取り出した役200~350°Cの蒸気タービンを使い、
タービンを回して発電します。
フラッシュ方式は、さらに以下の3種類に大別できます。
・シングルフラッシュ方式
気水分離器により取り出された蒸気を利用する、一般的な方式
・ダブルフラッシュ方式
分離後の熱水を再び蒸気と熱水に分離し、
その蒸気を一次蒸気(最初に分離された蒸気)とともにタービンに送り発電する
・ドライスチーム方式
気水分離器が必要のない、蒸気のみが噴出する
生産井を利用して、そのままタービンを回転させる方式
各方式のうち日本で多く採用されている方式は、
シングルフラッシュ方式です。
バイナリー方式の仕組み
バイナリー方式では、80∼150℃程度の蒸気や中高温熱水を利用し、
沸点の低い媒体を蒸発させてタービンを回転させます。
タービンを回すために蒸発さえた低沸点媒体は、
凝縮器によって液化させられて再利用される仕組みです。
2020年自然エネルギーの割合
環境エネルギー政策研究所引用
地熱発電のメリットデメリット
メリット1 二酸化炭素をほとんど排出しない
地熱発電は発電方式の中でも、
二酸化炭素の排出量が少ない傾向にあります。
地熱発電のライフサイクルCO2は、1kwhあたり13グラムとなっており、
他の再生可能エネルギーと比べても低い水準にあります。
メリット2 エネルギー源が枯渇する心配がない
地熱発電は、
地中深くにあるマグマにより生じた熱をエネルギー源とするため、
エネルギーが枯渇することがありません。
火力発電発電に使われる化石燃料や、原子力発電に使われるウランのように、
限りある資源を利用するのと違い、半永久的に発電できる点はメリットです。
メリット3 発電量が天候・季節に左右されない
地熱発電は安定して取り出すことが可能であり、
地熱発電の発電量は天候・季節に左右されません。
メリット4 日本は豊富な地熱資源を有している
日本は環太平洋造山帯に位置しており、
世界で3番目に多くの地熱資源を有しています。
日本にとって、地熱発電は洗剤的可能性を持っている発電方式と言えます。
デメリット1 発電効率が20%と比較的低い
デメリット2 調査制度が低く開発リスクは高い
地熱資源は地下深くにあり、高精度な調査が困難です。
そのため、井戸を掘削するための位置の選定が難しく、
開発後にも想定通りの蒸気を確保できないなどのリスクが存在します。
資源エネルギー庁が公開する「地熱資源の開発の現状について」によると
開発段階における掘削の成功率は3割程度です。
不確実性が大きく、開発にリスクを伴う点は地熱発電のデメリットです。
デメリット3 建設コストが高く費用対効果に問題あり
地熱発電は開発段階で複数の井戸を掘削しなければならず、
掘削にかかるコストは1本につき数億円にのぼります。
井戸の掘削費用は、地熱発電の開発費用の3割を占めており、
前述した掘削成功率を考えると成功に対して高コストです。
また、すでに送電線がある街中ではなく山間部に建設される都合上、
送電線の建設にも大きなコストがかかります。
調査開発や地上設備に費用や時間の面で大きな負担が発生する
デメリットがあります。
デメリット4
発電に適した名所は国立公園や温泉地が多い
地熱発電のある場所の多くが、開発に制限がある国立公園であったり、
景観を損ねると来客現象が懸念される温泉地であったりします。
開発に適した場所であるにも関わらず、
開発に制限が課せられるケースが多いことは
地熱発電における導入の足かせとなっています。
地熱発電の将来性
1996年以降、地熱発電の発電容量は約50万kwにとどまっていますが、
発電政府は2030年に発電容量を焼く150万kwまで拡大することを目指しています。
150万kwに拡大しても、日本の地熱資源量の6.4%
しか使っていないことを考慮すれば、
地熱発電は多大な将来性を秘めていることが分かります。
(EnergyShift引用)
地熱発電所ベスト10
地熱発電所のベスト10を調べてみました。
1 八丁原発電所 九州電力 55,000kw 1977.6.24
55,000kw 1990.6.22
2,000kw 2006.4.1
2 葛根田地熱発電所 東北電力 50,000kw 1978.5.26
30,000kw 1996.3.1
3 柳津西山地熱発電所 東北電力 65,000 kw 1995.5
4 澄川地熱発電所 東北電力 50,000kw 1995.3.2
6 上の袋地熱発電所 東北電力 28,000kw 1994.3
10 松川地熱発電所 東北自然エネルギー(株) 23.500kw 1966.10
最後に
今年の冬は、電力不足になるかもしれないと、ニュースでは言っています。
東日本大震災の後、古い火力発電を使っていたため、
それを順次廃止しているためです。
地熱発電の発電効率は10~20%程度で、太陽光やバイオマス発電と同程度です。
掘削の成功率も3割程度で良いとは言えません。
おまけに井戸の掘削費用は1本につき数億円で、開発費用の3割を占め、
高コストです。
しかし、日本の地熱資源量は豊富で、枯渇する心配がありません。
季節、天候に左右されることもなく、安定して取り出すことができます。
建設できる場所は、限定されますが、将来性のある発電だと思います。
ゲラチーは以前からもっと水力発電をもう少し活用して欲しいと
思っています。
最近は降水量も多くなり、発電効率も80%ですし、
大きい発電所は簡単にはつくれないので、
中小の発電でも良いのではと思っています。
水力発電は、河川を利用する権利が異常に複雑で、
建設の手続きが煩雑になるのを何とかしてほしいですね。
地熱発電もそうなのですが、その地域、地域にあった発電方法を
もっとすべきだと思います。
電力は、需要と供給のバランスが大事で、バランスを崩すと、
2018年9月6日に起きた北海道のブラックアウトのように
なってしまいます。
需要と供給は常に一定でなくてはいけなようです。
このブラックアウトのきっかけは、地震でしたが、
需要に対する供給がバランスを崩し、
電気が足りなくなって周波数が下がったことから、
大停電が起きてしまいました。
この冬電力不足にならないためにも、
一人一人が節電に努めることも大事です。
身近なエネルギーのことは、もっと詳しくなりたいと思っていて、
これからも頑張って勉強するつもりでいます。
貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。