当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。
今回は林業の話です。
林業のことも色々と勉強したいと思っています。
ウッドショックが起きた原因の一つに、日本の林業の衰退があります。
日本の林業はなぜ衰退したのか?そんなことも調べてみました。
ウッドショックとは
最近のニュースで耳にするようになった言葉「ウッドショック」。
木材が供給不足に陥り、価格が高騰していることを指す言葉です。
暮らしに欠かせない木材の価格が、
1年でアメリカでは4倍になるなど高騰しています。
オイルショックならぬ「ウッドショック」と言われる世界的な
価格の上昇は日本にも影響が出始めています。
1500ドル台を突破し、この一年で価格は4倍を超えました。
コロナ禍で戸建ての販売が好調を維持する一方で、住宅工務店は今、
ウッドショックに困惑しています。
日本は6割以上を輸入木材に依存しています。
建築現場では木材不足への懸念が現実のものとなっています。
木材加工を行う会社は、
すでに世界の木材争奪戦のまっただ中にいると言います。
見通しでは7月に入れば木材不足は解消に向かうものの、
現在、約6割増しの木材価格はさらに値上がりし、
しばらくは高止まりが続くとみています。 (テレビ朝日系ANN引用)
3回目のウッドショック
1992年~1993年や2008年のリーマンショック直前に巻き起こった
木材価格の高騰に続き、今回で3回目のウッドショックは、
コロナ禍で北米の新築住宅需要や増改築需要が高まったことを契機に
発生しました。
北米材の需給が世界的に逼迫し、先物価格が上昇を続ける中、
追い打ちをかけたのが、中国の経済回復などに伴う木材の需要です。
さらには世界的なコンテナ不足と、
21年3月に発生したスエズ運河での大型コンテナ船の座礁事故による
サプライチェーンの混乱が重なり、
日本向けの北米材と欧州材(原木やラミナ)もろとも
供給不足の状態に陥りました。
「サプライチェーンとは、
物の製造から販売といった共通した流れ全体を指す言葉です。
商品とお金が発生するスタート地点からゴール地点と
言い換えることもできます。」
供給不足が最も深刻なのは、梁(はり)に用いる集成材と製材です。
もともと輸入材の占める割合が高く、
国産材の生産量が限られている部材になります。
構造計算に関係する部材なので、設計上も代替が容易ではありません。
プレカット会社からは『いつ現場に納品できるか分からない』
『1~2ヶ月先になるかもしれない』
という声も聞かれるほどです。
木材の価格上昇は、輸入材だけではなく国産材にも波及してきました。
国産のスギ乾燥材正角も上昇率が46%に達しました。
供給材不足とそれに伴う輸入材の上昇価格は、
しばらく解消しない見込みです。
林野庁は4月11日、国際材の安定需給に向けた需給情報連絡協議会を
臨時で開催しました。
その席でも日本木材輸入協会が、
『米国の住宅ローンは3%前後と、』
『史上まれにみる低金利で住宅市場は好況なので、』
『今年いっぱいは輸入材の供給不足が続く可能性がある』
などと見解を示しました。
4月21日の納品分から値上げします。
同社の値上げは、21年に入って3度目になります。
欧州材は原材料のラミナ価格の上昇が続いていますが、
供給量を確保するためには、高値でも買わざるを得ない状況にあります。
(日経XTCH引用)
なぜ日本は木材を輸入に頼っているのか?
ウッドショックという事態になって思うのは、
日本は国土の7割が森林なのに、なぜ輸入木材に頼っているの?と
不思議に思いました。
疑問を持つと調べずにいられません!ということで・・・
まずは、近年の林業の歴史から・・・
戦後の拡大造林政策
昭和20年~30年には日本では戦後の復興のため、
木材需要が急増しました。
しかし、戦争中の乱伐による森林の荒廃や自然災害等の理由で
供給が十分に追いつかず、木材が不足し、高騰を続けました。
このため政府は、造林を急速に行うため「拡大造林」を行いました。
「拡大造林」とは、おもに広葉樹からなる天然林を
伐採した跡地や原野などを針葉樹中心の人口林(育成林)に
置き換えることです。
伐採跡地への造林をはじめ、里山の雑木林、
さらには、奥山の天然林などを伐採し、代わりにスギやヒノキ、
カラマツ、アカマツなど成長が比較的早く、
経済的にも価値の高い針葉樹の人口林に置き換えました。
政府は木材は今後も必要な資源で、
日本の経済成長にも貢献すると判断しました。
そして木材の生産力を飛躍的に伸ばし木材を大量確保をするため、
拡大造林政策は強力に推し進められました。
造林ブームと燃料革命
このスギやヒノキの木材価格は需要急増に伴い急騰しており、
木を植えることは銀行に貯金することより価値があるように言われ、
いわゆる造林ブームが起こりました。
この造林ブームは国有林・私有林ともに全国的に広がり、
わずか15年~20年の間に人口林はの総面積は1000万haのうち
400万haが造林されました。
この拡大造林の時期は、「燃料革命」と重なります。
当時の家庭燃料は木炭や薪が中心でしたが、
この時期には電気・ガス・石油に大きく切り替わっていきました。
里山の雑木林等の天然林の価値が薄れたため広葉樹は伐採され、
建築用材等になる経済的価値の高いスギやヒノキ針葉林に置き換わる
拡大造林林は急速に進みました。
木材輸入の自由化
この燃料革命と同時期の昭和30年代、木材の需要を賄うべく、
木材の自由化が段階的にスタートし、
昭和39年に木材は全面自由化になりました。
国産材の価格が高騰する一方で外材(外国産の木材)の輸入が
本格的に始まりました。
外材は国産材と比べて安く、かつ大量のロットで
安定的に供給(一度にまとまった量)できるというメリットがあるため、
需要が高まり、輸入量が年々増大していきました。
変動相場と林業の衰退
昭和40年代後半には、変動相場制になり、
1ドル=360円の時代は終わりました。
その後円高が進み、海外の製品がますます入手しやすくなったのです。
これらの影響で、昭和55年頃をピークに国産材の価格は落ち続け、
日本の林業の経営者は苦しくなっていきました。
昭和30年には木材の自給率が9割以上あったものが、
今では2割にまで落ち込んでいます。
日本は、国土の67%が森林が占める世界有数の森林大国なのに、
供給されている木材の8割は、輸入材木という現状です。
この状況になっているのに、拡大造林政策は続けられ、
平成8年にようやく終止符が打たれましたが、
木材の自由化、外材需要の拡大で、膨大な人工林と借金が残りました。
森林放置が環境問題
現在、間伐を中心とした保育作業や伐採・搬出等にかかる
費用も回収できず、林業は衰退してしまいました。
主伐(収穫のための伐採)を行っても採算がとれず、
赤字になってしまいます。
林業以外に目立った産業のない山村地域では、林業の衰退とともに、
地域の活力も低下し、林業離れによる後継者不足、林業就業者の高齢化、
山村問題、限界集落と呼ばれる問題まで起きています。
荒廃した森林は、台風の被害を受けたり、
大雨による土砂災害を起こしやすくなります。
人工林が収穫期(主伐期)
拡大造林政策によって生み出された多くの人口林が、
収穫期を迎えていますが、
伐採されないまま放置さている森林が目立ちます。
収穫期を迎えた森林を伐採し、植えて、育てる、
そして伐採するというサイクルを回す必要があります。
このサイクルを円滑に回すためには、国産材を積極的に利用し、
需要を高め、資金を山に還元する。
日本の木材供給量は、木材の輸入自由化以降、減少傾向でしたが、
平成14年を底に増加傾向が見られるなりました。
国産材利用量の拡大の要因としては、国内の森林資源の充実、
国産材の利用に伴う技術開発、
大型の製材工場や合板工場等の整備の導入が、挙げられます。
(森林・林業学習館引用)
最後に
ウッドショックになってしまった理由や林業の現状は、
分かりました。
では、衰退してしまった林業をどうすればよいのでしょうか?
ゲラチーは勉強不足でその答えは分かりません・・・
専門家の方は、こう言われておられます。
林業を将来性のあるものにするには、
自治体や政府に道路の整備や販売などの仕組みをお金と時間をかけて
作って欲しいと思います。
そして、普通に林業に従事することも
職業の選択肢になる時代が来るといいのになぁ~と思います。
ある意味、この3回目のウッドショックというピンチを、
林業を盛り返すチャンスにして欲しいと思います。
最後に働く重機を見るのが好きなゲラチーの、
一押しの重機を紹介します。その名も「スパイダー」です。
ぬかるんだ傾斜ももろともせずに登ったり下りたり、
その様は、まさにクモです!
部品を取り換えることで、いろんな作業ができます。
どうですか?カッコイイでしょう?!笑
では今回はこの辺で失礼します。
貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。