当ブログにお越し頂き、ありがとうございます。
今回は「水平リサクル」について書きます。
「水平リサイクル」という言葉をご存知の方もおられたと思いますが、
ゲラチーは先日ニュースで初めて聞きました。
水平リサイクルの前にリサイクルの種類を説明します。
リサイクルの種類と方法
リサイクルの種類は、
回収される資源の状態や方法で名称が異なります。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルとは、使用済みの製品を溶かしたり、
砕いたりして、新たな製品の材料として利用することです。
「材料リサイクル」「材料再生」「再生資源」「再生利用」
などとも言われています。
例えば、スチール缶を溶かして鉄鋼にし、
新たな鉄製品の材料として利用します。
また、アルミ缶や紙、ペットボトル、発泡スチロールなども
マテリアルリサイクルされることが多い素材です。
マテリアルリサイクルは、工程が複雑で資源やエネルギーを
多く消費するという問題もあります。
環境にに優しく無駄がない方法を考慮して行う必要があります。
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルは、
製品を化学的に分解して原材料のままで戻して再生します。
科学的再生法とも言われています。
ケミカルリサイクルの中にも原料のまで戻した後に、
元の製品として新たに作り直す場合もあります。
その代表例が、ペットボトルやナイロン製の衣類などです。
サーマルリサイクル
サーマルリサイクルは、「熱回収」とも呼ばれています。
廃棄物を単に廃棄処分せずに、焼却の際に発生する熱エネルギーを
回収する・利用することです。
混ざり合って分別できない状態のものは、
サーマルリサイクルによって、固形燃料に加工して燃やしたり、
焼却してでる熱を発電や給湯に利用したりします。
日本のサーマルリサイクルの割合は、実に70%にも上ります。
埋立地が少ない日本は、
サーマルリサイクルに頼らざる得ない現実があります。
水平リサイクルとは
水平リサイクルとは、一度は使用済みになった物が、
資源となり、また同じ製品となってリサイクルされることを言います。
例えば、アルミ缶はアルミ缶に、段ボールは段ボールに、
ガラス瓶はガラス瓶に再生されることです。 (荒木商店引用)
(食品新聞引用)
サントリーの水平リサイクル
ボトルtoボトルリサイクル事業
ボトルtoボトル事業に関する協定を締結し、全国初の取り組みとして
複数の自治体の輪の中でペットボトル(PET)水平リサイクルを
推進していきます。
ボトルtoボトルリサクルは、使用済みPTEを回収、再生して
新しいPETに生まれ変わらせて循環利用するリサイクル手法で、
カスケードリサイクルに比べ「繰り返し利用できる」
という点で環境にやさしい手法とされています。
カスケードリサイクルは、
使用済みPTEを食品トレイや繊維などの他のプラスチック製品に
再利用する手法ですが、一度再利用してしまうと、
それをPETに戻すことができず、最終的には焼却されます。
自治体が回収したPETは、
日本容器包装リサイクル協会(容リ協)を通じて入札に回され、
カスケードリサイクルかボトルtoボトルリサイクルされるのが
一般的な流れです。
これまで、この2つの手法のどちらがとられるかは入札者の判断に委ねられ
不確実でしたが、今回、全国で初めて複数の自治体が束になり、
回収PTEを直接リサイクラーに引き渡す仕組みを整備しました。
リサイクラーから調達した再生PETで飲料製品を製造し、
東幡地域を含む西日本に出荷していくことで、
水平リサイクルをより分かりやすく伝え、
地域住民の環境美化意識の向上も図ります。
PETボトルリサイクル推進協議会によると、
ボトルtoボトルリサイクルは全リサイクル手法の1~2割程度。
サントリー食品も今回の締結を機に、
12年から業界に先駆けて展開している
ボトルtoボトルの推進を加速させます。 (食品新聞引用)
(ユニ・チャームホームページ引用)
ユニ・チャームの水平サイクル
ユニ・チャームは、2020年10月22日、
使用済みの紙オムツを新たな紙オムツに再生する事業を始めると
発表しています。
回収品から原料のパルプを取り出して再び紙オムツを生産し、
2022年に発売します。
こうした紙オムツの水平リサイクルは、世界初となります。
消費者や投資家が環境に取り組みなどで企業を選別する
「ESG(環境・社会・企業統治)」の流れに対応します。
使用済みの紙オムツを回収します。
20年度中にまず都内で試験的に始める計画で、
提供する自治体を今後詰めます。
回収品は同社のリサイクル設備でパルプを取り出し、
新たな商品に再利用します。
2030年までに、全国10か所以上同様の設備を設ける計画です。
再生紙オムツは22年に発売する予定です。
「ムーニー」など同社の規制品とは異なるブランドで発売し、
リサイクル商品であることを前面に打ち出します。
価格は既製品と同等に設定するようです。
リサイクル前と同じ商品に再生するリサイクルは、
紙オムツでは進んできませんでした。
使用済みの商品のパルプから、
完全に排泄物を取り除くのが難しかったほか、
水分を含むため処分時は重さが3~4倍になるなど、
個別回収がしにくかったためです。
オゾンで滅菌処理
ユニ・チャームは使用済み商品を破砕し、
取り出したパルプをオゾンで滅菌し、
新品のパルプと同様の品質に戻す技術を開発しました。
特許を取得済みで、
厚生労働省のリサイクルの基準もクリアしています。
個別回収についても、2016年以降、
鹿児島県で実証実験を進めてノウハウを蓄積してきました。
ESGへの意識の高まり
ユニ・チャームは、紙オムツでは国内最大手で、
世界シェアはでは、アメリカのプロクター・アンド・ギャブン(P&G)、
アメリカのキンバリー・クラークに次世界3位につけています。
水平リサイクルは技術開発などでコストがかさみ、
黒字化には時間がかかります。
同業他社では、P&Gが欧州で使用済み紙オムツを回収していますが、
ボトルのキャップなどへのリサイクルに留まっています。
それでもユニ・チャームが水平リサイクルに乗り出すのは、
消費者や投資家の環境意識の高まりを感じとっているからです。
EGSへの関心が高まり、
メーカーは製品を作るだけでよい時代ではなくなりました。
紙オムツは、高齢化を背景に増えています。
大人用紙オムツは2019年には5割増しで増え、
今後も伸びが見込まれています。
これまでは、焼却処分が中心でした、
焼却は焼却費用や二酸化炭素の排出に繋がります。
ユニ・チャームの水平リサイクル対象となる紙オムツは、
当面は同社の生産の1%程度の見通しになっています。
今後は自治体の補助金なども活用し、早期の収益かを目指します。
コカ・コーラボトラーズジャパン(CCBJI)は2020年11月、
台湾の大手・遠東新世紀の技術を使って再生した
ペットボトル飲料を販売しました。
販売しました。
日用品では2020年9月、
花王とライオンが洗剤などの詰め替え容器を回収して、
同じ容器に戻すリサイクル技術の共同開発に着手しました。
2025年までに詰め替え容器のプラ使用料の2割にあたる
1万トンの回収を目指します。
(日本経済新聞引用)
最後に
3Rとは
地球の限りある資源を有効に活用し、資源の使用の抑えて
なるべくごみを減らし、環境への負担を軽くする必要があります。
3Rとは「リデュース」「リユース」「リサイクル」
英単語「Reduce」「Reuse」「Rwcycle」の
それぞれの頭文字からなり、循環型社会をつくるキーワードです。
循環型社会を実現するためには、私たち一人ひとりが
毎日の生活の中でも3Rのキーワードを忘れずに、
取り組みことが大事だと思います。
回収した紙オムツでまた紙オムツに再生する技術を開発し、
鹿児島志布志市で回収システムを構築して実証実験していたのは
知っていたので、いつか記事に書こうと思っていました。
そのシステムを東京都で行うということで、記事に出来て良かったです。
紙はパルプで作られているため、その紙で作る紙オムツは、
森林破壊、温室効果ガス排出へと繋がります。
企業は製品を売るだけでは無く、売った後のゴミの問題までも
責任を負う時代になったのかも知れません。
研究や開発には時間とお金がかかりますが、
ユニ・チャームが開発したオゾン処理法は素晴らしいと思います。
こういう企業が、
消費者や投資家の支持を得られるのではないでしょうか?
循環型社会について書いた記事もあります。
読んでもらえたら嬉しいです!
貴重な時間を使って頂き、ありがとうございました。